要件定義とは?ようけんていぎ
要件定義とは、利害関係者のニーズを整理し、業務要件・機能要件・非機能要件として文書に確定させる工程。以降の設計・開発・テストがすべてこの文書を前提にするため、作成後は取得者(発注側)と供給者(受注側)が共同でレビューし、一貫性・テスト可能性・実現可能性を評価する。
最終更新:2026-10-07
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要求が言葉のまま合意されていると、稼働直前に「これでは業務が回らない」と判明し、設計からやり直すことになる。曖昧な要求を検証可能な要件へ翻訳し、発注側と受注側が同じ文書に合意する場を独立した工程として切り出したのが要件定義である。午前I(科目A-1)では、双方向のトレーサビリティと、この工程に適した契約形態という2つの切り口で問われる。
具体例
非機能要件の整理にはIPAの「非機能要求グレード」が広く使われ、可用性・性能拡張性・運用保守性・移行性・セキュリティ・システム環境の6分類で水準を発注側と合意する。要件と設計・実装・テストの対応を双方向にたどれるようにしておくことがトレーサビリティ。
試験での引っ掛け
要件定義や運用テストは成果を事前に確定しにくいため、契約形態は準委任が適切とされる。完成責任を負う請負との違いが問われる。また非機能要件を「性能だけ」と狭く取らないこと——可用性・運用保守性・移行性まで含む。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問16(IPA)解説で登場
UMLのユースケース図の説明はどれか。
正解:システムとアクタの相互作用を表現する。
要点:ユースケース図はアクタとシステムの相互作用を描く
ユースケース図は、システムの外部にいるアクタ(利用者や外部システム)と、システムが提供する機能単位であるユースケースとの関係を描く図である。システムの振る舞いを利用者の視点から俯瞰し、要件定義の段階で範囲を合意するために使われる。
出典:平成28年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問20(IPA)
過去のプロジェクトの開発実績から構築した作業配分モデルがある。システム要件定義からシステム内部設計までをモデルどおりに進めて228日で完了し、プログラム開発を開…
正解:150
要点:期間比から全体日数を逆算し残工程を積み上げる
要件定義から内部設計までの期間比の合計は0.25+0.21+0.11=0.57で、これが228日に相当するため全体は228÷0.57=400日となる。プログラム開発は0.11×400=44日で半分完了しているので残り22日、以降のシステム結合44日とシステムテスト84日を加えて22+44+84=150日である。
出典:平成28年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問25(IPA)
“情報システム・モデル取引・契約書”によれば、要件定義工程を実施する際に、ユーザ企業がベンダと締結する契約の形態について適切なものはどれか。
正解:構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
要点:要件定義は成果が未確定なため準委任契約が基本
要件定義工程は、ユーザ企業が主体となって業務要件を固めていく段階であり、開始時点では何を作るかが確定していないため成果物の完成責任を負わせにくい。モデル取引・契約書でも、ベンダが専門的な支援を提供する準委任契約とすることが基本とされている。
出典:平成28年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問25(IPA)解説で登場
表は,ビジネスプロセスをUMLで記述する際に使用される図法とその用途を示している。表中のbに相当する図法はどれか。ここで,ア~エは,a~dのいずれかに該当する。
正解:ユースケース図
要点:ユースケース図は外部から見た機能とアクタの関係を描く
bは「システムが提供する機能単位と利用者との関連」を記述する図法である。システムの外部から見た機能とアクタ(利用者)の関わりを表すのはユースケース図であり、要件定義で機能の洗い出しに使われる。aはクラス図、cはステートチャート図、dはコラボレーション図に対応する。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問25(IPA)
業務要件定義において,業務フローを記述する際に,処理の分岐や並行処理,処理の同期などを表現できる図はどれか。
正解:アクティビティ図
要点:アクティビティ図は分岐・並行・同期を含む処理の流れを表す
アクティビティ図は業務やシステムの処理の流れを表すUMLの図で、条件による分岐(デシジョン)と合流、並行処理の開始と終了を表すフォークとジョインを記述できる。そのため業務フローの記述に適している。クラス図は静的構造、状態遷移図は状態の変化、ユースケース図は機能と利用者の関係を表す。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 2. 要件定義に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。