モデル取引・契約書(多段階契約)とは?もでるとりひき・けいやくしょ
モデル取引・契約書(多段階契約)とは、システム開発を1本の契約で包まず、工程ごとに区切って契約形態と責任分担を選び直す取引の型。要件が固まらない上流は準委任、範囲が確定した下流は請負とし、確定した分だけ見積りと完成義務を負わせる。工程の切れ目ごとに成果物を確認し、次工程の契約を結ぶ。
最終更新:2026-10-07
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要件が白紙の段階で総額と完成期日を確定させる一括請負は、見積りの根拠が無いまま責任だけをベンダー側に寄せる構造になり、追加要求と赤字の押し付け合いを生んだ。工程の切れ目で契約を結び直せば、確定した範囲にだけ完成義務を負わせられる。午前I(科目A-1)では調達・契約の設問で、工程と契約形態の対応が問われる。
具体例
経済産業省が2007年に公表し、その後 IPA が改訂を引き継いだ「情報システム・モデル取引・契約書」がその実体で、2020年の民法改正に対応した版、アジャイル開発向けの版が順に追加されている。要件定義を準委任、外部設計以降を請負とする組合せが基本形として示されている。
試験での引っ掛け
準委任だから責任が無い、ではない。完成義務は負わないが善良な管理者の注意義務は負う。請負側の「瑕疵担保責任」は民法改正で「契約不適合責任」に改称されており、旧称のままの選択肢は誤り。工程を分けても総額は確定せず、次工程で合意できない中断リスクは残る。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問25(IPA)
“情報システム・モデル取引・契約書”によれば、要件定義工程を実施する際に、ユーザ企業がベンダと締結する契約の形態について適切なものはどれか。
正解:構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
要点:要件定義は成果が未確定なため準委任契約が基本
要件定義工程は、ユーザ企業が主体となって業務要件を固めていく段階であり、開始時点では何を作るかが確定していないため成果物の完成責任を負わせにくい。モデル取引・契約書でも、ベンダが専門的な支援を提供する準委任契約とすることが基本とされている。
出典:平成29年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問24(IPA)
“情報システム・モデル取引・契約書”によれば、情報システムの開発において、多段階契約の考え方を採用する目的はどれか。ここで、多段階契約とは、工程ごとに個別契約を…
正解:開発段階において、前工程の遂行の結果、後工程の見積前提条件に変更が生じた場合に、各工程の開始のタイミングで、再度見積りを可能とするため
要点:多段階契約は工程ごとに再見積りし見積りリスクを抑える
開発の初期段階では要件が固まっておらず、全工程を一括で正確に見積もることは難しい。多段階契約では工程ごとに契約を結ぶため、前工程の結果を踏まえて次工程の開始時点で改めて見積もり直せる。見積りの前提が変わったときにリスクを双方が抱え込まずに済む点が狙いである。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 3. 調達計画・実施 > (2) 調達の実施に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。