インシデントとは?いんしでんと
インシデントとは、サービスに対する計画外の中断、サービス品質の低下、または顧客・利用者へのサービスにまだ影響していないが影響し得る事象を指す。JIS Q 20000-1の定義がそのまま出題されるため、この三つ目まで含む点を落とさないこと。原因が判明しているかどうかは問わず、対応の目的はあくまで合意した時間内のサービス復旧である。記録・分類・優先順位付け・エスカレーション・解決・終了という手順で扱う。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
利用者から見えない劣化を記録せずにいると、片系が落ちたまま運用が続き、残る一系が落ちた瞬間に初めて全面停止として顕在化する。それを避けるため、規格は「まだ影響していないが影響し得る事象」まで定義に取り込んだ。影響度と緊急度で優先順位を付けるのも、限られた当番要員をどこへ向けるかを主観ではなく基準で決めるためである。
具体例
AWSのAWS Health DashboardやMicrosoft 365のサービス正常性ページは、サービス側で検知した中断や品質低下を利用者へ通知する実在の仕組みである。社内では冗長構成の片系ディスク故障、バッチの異常終了、業務Webの応答遅延などが記録の対象になる。
試験での引っ掛け
インシデントと問題の混同が定番で、原因の特定と除去は問題管理の仕事である。ワークアラウンドで業務が戻れば原因未特定でもインシデントはクローズしてよい。また規格上、重大なインシデントは特定する基準を定め、トップマネジメントへ通知することが求められる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
出典:平成28年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
ITサービスマネジメントにおける、インシデント及びサービス要求管理プロセスと問題管理プロセスとのインタフェースに関する要件のうち、適切なものはどれか。
正解:問題管理プロセスでは、既知の誤り及び問題解決策に関する最新の情報を、インシデント及びサービス要求管理プロセスに提供しなければならない。
要点:問題管理は既知の誤りと回避策をインシデント管理へ提供する
問題管理は根本原因を突き止め、恒久対策が済むまでの回避策を「既知の誤り」として記録する。この既知の誤りと解決策の情報をインシデント及びサービス要求管理へ提供することで、同種のインシデントを早期に復旧できるようになる。これが両プロセス間の代表的なインタフェース要件である。
出典:平成29年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
ITサービスマネジメントにおけるインシデントの段階的取扱い(エスカレーション)の種類のうち、階層的エスカレーションに該当するものはどれか。
正解:現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を、広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。
要点:階層的エスカレーションは権限を求めて上位者へ上げること
階層的エスカレーションは、解決に必要な権限や資源を得るために組織の上位者へ引き上げる形のエスカレーションである。より高度な技術知識をもつ担当へ渡すのは機能的エスカレーションであり、両者は「上へ上げる」か「横の専門家へ渡す」かで区別される。上級マネージャの招集権限が必要になる場面が階層的の典型例である。
出典:平成29年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(IPA)
ITIL 2011 editionのインシデント管理において、インシデント・モデルを定義しておくことによって得られるメリットはどれか。
正解:繰り返し発生するインシデントに対して、事前に定義された経路で、事前に定義された時間枠内に対応できる。
要点:インシデント・モデルは定型対応の手順と時間枠を事前定義する
インシデント・モデルは、繰り返し発生する種類のインシデントについて、対応手順・担当・順序・所要時間の目安をあらかじめ定めておくものである。これにより、その都度検討することなく、定義済みの経路と時間枠に沿って一貫した対応ができ、解決の迅速化と品質の安定につながる。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの6 サービスマネジメント > 2. サービスマネジメントシステムの計画及び運用 > (15) インシデント管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。