要求事項トレーサビリティマトリックスとは?ようきゅうじこうとれーさびりてぃまとりっくす
要求事項トレーサビリティマトリックスとは、個々の要求事項が、どの設計・どの作業・どの試験項目に対応するかを行と列で対応付けた表で、要求から成果物、検証までを双方向にたどれるようにする。運用の場面では、顧客と合意したサービス要求事項やSLAの各項目が、監視設定・運用手順・受入れ基準のどれで実現され、どこで検証されるかを結び付けた台帳として使え、変更が出たときの再テスト範囲を短時間で特定できる。
最終更新:2026-10-06
ITサービスマネージャを最短で暗記・合格する →背景
要求は合意した時点では文章として存在するが、設計・構築・試験と工程を進むうちに、担当者の記憶を通じて分散していく。抜けたことに気づくのは本番で顧客から指摘されたときで、その時点では作り直しになる。行と列で対応を強制するのは、空欄という形で抜けを目に見えるようにするためであり、逆にどの要求にも紐づかない成果物を見つける道具でもある。運用にとっての価値は、変更のたびに影響範囲を人の記憶で判定しなくて済むことにある。
具体例
SLAで約束した「重大インシデントの一次回答15分以内」という要求に対し、監視のしきい値設定・自動通報の宛先・エスカレーション手順・受入れ試験項目T-045を一行に紐づけておく。監視ツールを Zabbix から Datadog へ差し替える変更が起票された際、この行をたどるだけで、再設定と再テストの対象がSLA項目単位で確定し、CABへ提出する影響範囲の説明がそのまま作れる。
試験での引っ掛け
単なる要求の一覧表と同じものだと考えるのは誤りで、対応先が空欄の行を見つけることが目的の一つである。逆向きの読み方も重要で、どの要求にも紐づかない成果物や監視項目は、過剰な作り込みか、要求が更新されたのに表が更新されていない兆候にあたる。運用で形骸化する典型は、初回リリース時に作って以後更新しないことで、更新されない台帳は影響範囲を過小に見せる分、無いより危険になる。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。