クリティカルパスとは?くりてぃかるぱす
クリティカルパスとは、アローダイアグラム上で作業の依存関係をたどったとき、所要時間の合計が最も長くなる経路である。全体の最短所要時間はこの経路の長さで決まり、経路上の作業には余裕(フロート)が無いため、1日の遅れがそのまま全体の1日遅れになる。運用の現場では、データセンター移設や大規模なリリースのように停止時間の枠が決まっている作業で、どこに要員と監視を厚く置くかを決める根拠になる。
最終更新:2026-10-06
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工程を並べただけの計画では、どの遅れが致命的でどの遅れが吸収できるのかが区別できず、全部を等しく心配することになる。経路ごとの合計時間を計算して余裕の有無を分ければ、限られた要員と管理の目を本当に効く場所へ集められる。夜間の限られた停止枠で作業を終わらせる計画では、この見極めが作業の可否そのものを決める。
具体例
1950年代にデュポンとレミントンランドが設備保全の工程短縮のために開発したCPM(クリティカルパス法)が起源で、現在はMicrosoft ProjectやBacklogのガントチャートが最長経路を自動で算出する。移行作業でも、並行する複数の経路のうち合計時間が最大の経路が全体の所要時間になる。
試験での引っ掛け
クリティカルパスは短縮すると別の経路へ移り得るので、短縮策を織り込んだら改めて最長経路を求め直す。最長経路であって「最も重要な作業の集まり」ではなく、余裕のある経路上の作業が軽い作業だという意味でもない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成30年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問18(IPA)
プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として、適切なものはどれか。
正解:クリティカルパス上のアクティビティが遅れたので、ここに人的資源を追加した。
要点:クラッシングはコストを掛けクリティカルパスを短縮する
クラッシングは、要員の追加や残業などの資源投入によって、コスト増を受け入れながら所要期間を短縮する日程短縮技法である。効果を出すにはクリティカルパス上のアクティビティに投入する必要がある。順序関係を並行化して短縮する手法はファストトラッキングと呼ばれ、区別される。
出典:令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(IPA)解説で登場
図は、あるプロジェクトにおける、旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合、移行開始から移行終了までの所要時間は最短…
正解:7.5
要点:クリティカルパスに休憩1時間を割り込ませて最短時間を求める
休憩を考えなければ、旧システム停止0.5+取引データ抽出2.5+マスタデータ登録3.5+動作確認0.5=7.0時間が最長経路になる。しかし取引データ抽出を担当した作業者は開始から2.5時間続けて作業しているため、登録3作業が同時に始まる時点で休憩を取っておらず、3作業を完全並行にはできない。休憩1時間を割り込ませると最後の動作確認が0.5時間ずれ込み、最短でも7.5時間かかる。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
アローダイアグラムで表される日程のプロジェクトにおいて、現在のクリティカルパスは作業A、D、I、Jである。作業Dを2日、作業Jを1日短縮するとき、作業Fの総余裕…
正解:1
要点:総余裕日数の減少は、全体所要日数が縮んだ分から、その作業を通る経路が縮んだ分を引いた日数になる
作業Fの総余裕日数は、全体所要日数から、Fを通る経路(B→F→J)の日数を引いて求める。当初はA→D→I→Jが17日で最長、B→F→Jは13日なので、Fの総余裕日数は4日である。Dを2日、Jを1日短縮すると、A→D→I→Jは14日、B→E→I→Jは15日、C→G→Jは14日、C→Hは14日となり、全体所要日数は15日になる。B→F→Jは12日なので総余裕日数は3日となり、減少は1日である。
出典:令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問19(IPA)解説で登場
プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業Eを作業E1、E2、E3に分けて、図2のとおりに計画を変更すると、スケジュールは全体…
正解:1
要点:工期短縮の効果はクリティカルパスの入れ替わりまで見て判断する
当初の計画ではA→B→E→H→Iの経路が5+8+9+4+2=28日で最長となり、これが全体の所要日数である。作業Eを3分割すると、E1とE2を並列に進めてからE3を実施できるため、Eに相当する部分は最長でも4+2=6日となり、この経路は25日に短縮される。すると別経路A→B→D→Gの27日が新たな最長経路(クリティカルパス)となるため、全体では28−27=1日の短縮にとどまる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。