MTRS(平均サービス回復時間)とは?えむてぃーあーるえす
MTRS(平均サービス回復時間)とは、サービスが停止してから利用可能な状態に回復するまでの平均時間である。ITILが可用性管理の指標として挙げる保守性側の値で、検知・受付・診断・修復・確認・再開通知までの経過時間を含む。利用者から見た停止の長さそのものなので、SLAの復旧目標や稼働率の実績を説明するときはMTTRではなくこちらが根拠になる。
最終更新:2026-10-06
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部品の交換時間だけを短くしても、検知が30分遅れ、担当者への連絡にさらに20分かかっていれば、利用者にとっての停止は縮まない。修理という技術的な作業ではなく、サービスが使えない時間の全体を測る指標が要る——その必要からMTRSが分けて置かれた。監視の自動化やエスカレーション基準の整備が効くのは、まさにこの前後の時間である。
具体例
年間5,020時間提供するサービスで6時間の停止が2回、3時間の停止が2回起きた場合、総ダウンタイム18時間を4回で割ってMTRSは4.5時間。検知を監視の自動通報に置き換えて平均30分縮めれば、それだけでMTRSは4.0時間になる。
試験での引っ掛け
部品の修理時間を表すMTTR(平均修復時間)との取り違えが定番で、MTRSは利用者がサービスを使えるようになるまでの時間である。故障の間隔を表すMTBFや、サービス・インシデントの間隔を表すMTBSIとも混同しやすく、間隔の指標か時間の指標かで整理する。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(IPA)
ITILでは、可用性管理におけるKPIの例として、保守性の指標である平均サービス回復時間(MTRS)の短縮を挙げている。年間5,020時間提供するサービスにおい…
正解:10
要点:MTRSは総停止時間を停止回数で割った平均回復時間
MTRS(平均サービス回復時間)は、サービス停止の総時間を停止回数で割って求める保守性の指標である。本問では停止時間の合計が6+14=20時間、停止回数が2回なので、20÷2=10時間となる。年間提供時間5,020時間は可用性の計算には使うが、MTRSの算出には用いない点に注意する。
出典:令和4年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
ITIL 2011 editionでは、可用性管理におけるKPIの例として、平均サービス・インシデント間隔(MTBSI)の改善を挙げている。あるITサービスでサ…
正解:MTBSI > MTBF > MTRS
要点:MTBSI=MTBF+MTRS。総経過時間と稼働時間を割る対象を取り違えない
稼働開始からの総経過時間2,020時間、使用可能時間2,000時間、停止2回(合計20時間)なので、MTBFは2,000÷2=1,000時間、MTRSは20÷2=10時間となる。MTBSIはインシデント発生の間隔なので稼働時間と停止時間を合わせた2,020÷2=1,010時間である。MTBSI=MTBF+MTRSの関係が成り立つため、常にMTBSIが最大になる。
出典:令和6年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
ITIL4の可用性管理プラクティスにおいて、障害発生後のサービスの回復の速さを測定する指標はどれか。
正解:MTRS
要点:回復の速さはMTRS。MTBFやMTBSIは故障の起こりにくさ
MTRS(Mean Time to Restore Service)は、サービスが中断してから回復するまでに要した時間の平均で、まさに障害発生後の回復の速さを表す指標である。MTBFは中断せずに稼働できた時間の平均、平均サービス・インシデント間隔(MTBSI)はインシデントの発生間隔で、いずれも故障の起こりにくさを示す。合計ダウンタイムは総量であって速さの指標ではない。
出典・参考
公式シラバスの2 サービスマネジメントシステムの計画及び運用 > 2-9 サービス保証 (1) サービス可用性管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。