IPsecとは?あいぴーせっく
IPsecとは、ネットワーク層(IP層)で暗号化と認証を行うプロトコル群。認証と完全性の保証だけを担うAHと、暗号化まで行うESPから成り、鍵の共有と接続の確立はIKEが受け持つ。IP層で動くため上位のアプリケーションを変更せずに通信全体を保護でき、IPv6では拡張ヘッダとして標準で組み込まれている。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
IPは中身を平文のまま運ぶ設計で、経路上で盗聴も改ざんもできてしまう。アプリケーションごとに暗号化を実装すれば守れるが、対応していない業務システムや独自プロトコルは取り残される。そこで「アプリケーションを問わず、IPパケットの単位で守る」層としてIPsecが設けられ、拠点間を専用線ではなくインターネットで結ぶVPNが現実的な選択肢になった。
具体例
本社と支社をインターネット経由で結ぶIPsec-VPNが代表的な使い方で、ルータやUTM製品が対向でトンネルを張り、拠点間の通信をまとめて保護する。トンネルモードでは元のIPヘッダごと包むため、内部のアドレス構成を経路上に見せずに済む。
試験での引っ掛け
TLSとは層が違う。IPsecはネットワーク層なのでアプリケーションを問わず通信全体を保護できるのに対し、TLSはトランスポート層より上でアプリケーションごとの保護になる。AHは認証・完全性のみで暗号化しない点も取り違えやすく、暗号化まで行うのはESPのほうである。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問12(IPA)解説で登場
IPv6において、拡張ヘッダを利用することによって実現できるセキュリティ機能はどれか。
正解:暗号化機能
要点:IPv6の拡張ヘッダはIPsecの暗号化機能を提供する
IPv6では基本ヘッダの後ろに拡張ヘッダを連ねる構造を採り、認証ヘッダ(AH)と暗号ペイロード(ESP)が定義されている。ESPの拡張ヘッダを用いることでペイロードの暗号化が実現でき、IPsecの機能が仕様として組み込まれている点が特徴である。
出典:令和2年度 10月試験 高度試験 午前Ⅰ 問12(IPA)
PCからサーバに対し、IPv6を利用した通信を行う場合、ネットワーク層で暗号化を行うときに利用するものはどれか。
正解:IPsec
要点:ネットワーク層で暗号化・認証を行うのはIPsec
IPsecは、IP層(ネットワーク層)で認証と暗号化を行うプロトコル群で、AHが完全性・認証、ESPが暗号化を担う。IPv6では当初から実装が前提とされており、上位のアプリケーションを変更せずに通信全体を保護できる。他の選択肢はいずれも別の層で動作する。
出典:令和3年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問15(IPA)
OSI基本参照モデルのネットワーク層で動作し、“認証ヘッダ(AH)”と“暗号ペイロード(ESP)”の二つのプロトコルを含むものはどれか。
正解:IPsec
要点:IPsecはIP層で動きAHとESPを含む
IPsecはネットワーク層(IP層)で動作するセキュリティプロトコル群で、完全性と認証を提供するAH(認証ヘッダ)と、暗号化を提供するESP(暗号ペイロード)から成る。鍵交換にはIKEを用い、インターネットVPNの基盤技術として広く使われている。
出典:令和6年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問15(IPA)
PCからサーバに対し、IPv6を利用した通信を行う場合、ネットワーク層で暗号化を行うときに利用するものはどれか。
正解:IPsec
要点:ネットワーク層の暗号化はIPsecが担う
IPsecはネットワーク層(IP層)で認証と暗号化を行うプロトコル群で、ESP(IPsecで暗号化と認証を行う方式)によってIPパケットのペイロードを暗号化できる。IPv6では当初から利用が想定されており、上位のアプリケーションを変更せずに通信を保護できる点が利点である。
出典:令和7年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問15(IPA)
VPNで使用されるプロトコルであるIPsec, L2TP, TLSの、OSI基本参照モデルにおける相対的な位置関係はどれか。図中、OSI基本参照モデルの上位層(…
正解:C(上からTLS, IPsec, L2TP)
要点:上位からTLS、IPsec、L2TPの順に階層が下がる
L2TPはデータリンク層(レイヤ2)のトンネリングプロトコル、IPsecはネットワーク層(レイヤ3)でIPパケットを保護するプロトコル、TLSはトランスポート層の上でアプリケーションデータを保護するプロトコルである。したがって上位から順にTLS、IPsec、L2TPの積層になる。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 5. セキュリティ実装技術 > (1) セキュアプロトコルに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。