ディジタル署名とは?でぃじたるしょめい
ディジタル署名とは、メッセージのハッシュ値を送信者の秘密鍵で暗号化したもの。受信者は送信者の公開鍵で復号し、自分で計算したハッシュ値と比較することで、改ざんが無いこと(完全性)と署名者が本人であること(真正性・否認防止)を確認できる。公開鍵が本人のものであることは認証局(CA)の証明書が裏づける。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
紙の世界では印章や自筆の署名が本人性を担保していたが、電子データは完全な複製ができるため、同じ手段は成り立たない。「秘密鍵を持つ者にしか作れず、公開鍵を持つ誰もが検証できる」値をメッセージに結び付けることで、本人性と改ざんの無さを電子的に示せるようにしたのがディジタル署名で、電子署名法により法的な効力の裏づけも与えられている。午前I(科目A-1)ではMACとの違いが定番。
具体例
ソフトウェアの発行元を示すコードサイニング証明書、電子契約サービス(DocuSignやクラウドサインなど)の合意記録、メールの送信ドメインを署名で認証するDKIMが応用例。いずれも「誰が出したものか」と「途中で変わっていないか」を同時に示している。
試験での引っ掛け
署名で分かるのは「改ざんの有無」と「署名者の真正性」であって、内容の秘匿(機密性)は得られない。また暗号化するのはメッセージ本体ではなくハッシュ値であり、使う鍵は送信者の秘密鍵——受信者の公開鍵と取り違えた選択肢が定番になる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問12(IPA)解説で登場
A社のWebサーバは,サーバ証明書を使ってTLS通信を行っている。PCからA社のWebサーバへのTLSを用いたアクセスにおいて,当該PCがサーバ証明書を入手した…
正解:サーバ証明書の正当性を,認証局の公開鍵を使って検証する。
要点:認証局の公開鍵はサーバ証明書の署名検証だけに使う
サーバ証明書には認証局のディジタル署名が付いている。PCは、あらかじめ信頼している認証局の公開鍵でこの署名を検証し、証明書が改ざんされていないことと正規の認証局が発行したものであることを確かめる。共通鍵の受渡しにはサーバの公開鍵を使うのであって、認証局の公開鍵は検証専用である。
出典:令和2年度 10月試験 高度試験 午前Ⅰ 問13(IPA)
送信者Aからの文書ファイルと、その文書ファイルのディジタル署名を受信者Bが受信したとき、受信者Bができることはどれか。ここで、受信者Bは送信者Aの署名検証鍵Xを…
正解:文書ファイルが改ざんされていないこと、及びディジタル署名が署名生成鍵Yによって生成されたことを確認できる。
要点:署名検証で分かるのは改ざんの有無と署名者の真正性
受信者Bは、受け取った文書ファイルからハッシュ値を計算し、署名検証鍵Xでディジタル署名を検証することで両者が一致するかを確かめられる。一致すれば文書が改ざんされていないこと(完全性)と、署名生成鍵Yを持つ送信者Aが署名したこと(真正性・否認防止)が確認できる。ハッシュ値の比較なので、どこがどう改ざんされたかまでは分からない。
出典:令和3年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問13(IPA)解説で登場
JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)において定義されている情報セキュリティの特性に関する説明のうち、否認防止の特性に関…
正解:ある利用者があるシステムを利用したという事実が証明可能である。
要点:否認防止は行為の事実を後から証明できる性質
否認防止(non-repudiation)は、ある事象や行為が確かに行われたことを後から否定できないよう、その事実を証明できる性質である。利用者がシステムを利用した事実をログやデジタル署名で立証できることがこれにあたる。
出典:令和4年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問12(IPA)解説で登場
メッセージの送受信における署名鍵の使用に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:送信者が送信者の署名鍵を使ってメッセージに対する署名を作成し、メッセージに付加することによって、受信者が送信者による署名であることを確認できるようになる。
要点:署名鍵は本人性と改ざん検知のためで秘匿には使わない
デジタル署名では、署名者だけが持つ署名鍵(秘密鍵)でメッセージのハッシュ値を処理して署名を作り、メッセージに添えて送る。受信者は対応する検証鍵(公開鍵)で検証することで、送信者本人が作成したこと(真正性)と、内容が改ざんされていないことを確認できる。署名は内容を秘匿する仕組みではない点に注意が必要である。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (8) 情報セキュリティに関する技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。