鍵管理とは?かぎかんり
鍵管理とは、暗号鍵を生成し、配布・保管・更新して最後に廃棄するまでの一生を安全に扱う運用。どれだけ強い方式を使っても鍵が漏れれば暗号は無いのと同じになるため、管理側にとってはアルゴリズムの選定より重い論点になる。鍵を持つ人・置き場所・失効の手順を決め、記録に残すところまでが範囲。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
暗号の安全性は、方式が秘密であることではなく鍵だけが秘密であることに依存する。つまり守るべき対象は鍵という一点に集約され、その一点を人が扱う。運用は退職・異動・機器の入替えで必ず動くため、配る手順と同じだけ「回収して使えなくする手順」が要る。逆に暗号化したまま鍵を失えば、正当な持ち主でもデータを取り出せなくなるという別方向の事故も起きる。
具体例
ICカードとその暗証番号を利用者へ渡すとき、両方を同じ封筒で郵送すれば一度の紛失で両方が渡ってしまう。カードは郵送、暗証番号は別便やSMSと経路を分けるのが基本になる。記憶媒体を廃棄する場面では、暗号化しておいた鍵を消して復元不能にする暗号化消去(CE)という方法もとられる。
試験での引っ掛け
鍵と、それを使うためのパスワードやPINを同じ経路で渡さない、が第一の定石。次に、鍵の紛失は漏えいと同じくらい重い事故で、復旧できなくなる側のリスクとして問われる。サーバ証明書の秘密鍵をバックアップと一緒に平文で置く、といった保管場所の誤りも典型例。更新と失効の手順が決まっていない運用は、整備されていないと評価される。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成30年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問27(IPA)
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問26(IPA)解説で登場
暗号アルゴリズムの危殆化を説明したものはどれか。
正解:計算能力の向上などによって,鍵の推定が可能になり,暗号の安全性が低下すること
要点:危殆化は時とともに既存暗号の安全性が下がる現象
暗号アルゴリズムの危殆化とは、計算機の性能向上や解読理論の進歩により、鍵の推定が現実的な時間で可能になり、そのアルゴリズムや鍵長の安全性が相対的に低下することをいう。鍵管理の失敗や輸出規制の問題とは異なり、時間の経過とともに必然的に進む現象なので、暗号方式や鍵長は計画的に移行していく必要がある。
出典:平成31年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問28(IPA)
OpenPGPやS/MIMEにおいて用いられるハイブリッド暗号方式の特徴はどれか。
正解:公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせることによって鍵管理コストと処理性能の両立を図る。
要点:ハイブリッド暗号は公開鍵で鍵を配り共通鍵で本文を暗号化する
ハイブリッド暗号方式は、本文の暗号化には処理の速い共通鍵暗号を使い、その共通鍵を相手の公開鍵で暗号化して渡す方式である。これにより、大量データの高速な暗号化と、事前に鍵を安全に配送する手間の解消を同時に実現できる。OpenPGPやS/MIMEはこの考え方を採用している。
出典:令和4年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問21(IPA)
OpenPGPやS/MIMEにおいて用いられるハイブリッド暗号方式の特徴はどれか。
正解:公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせることによって鍵管理コストと処理性能の両立を図る。
要点:本文は共通鍵、その鍵は公開鍵で送るのがハイブリッド
ハイブリッド暗号方式は、本文の暗号化には処理が高速な共通鍵暗号を使い、その共通鍵の受け渡しだけを公開鍵暗号で行う方式である。共通鍵暗号は速いが鍵の安全な配送が難しく、公開鍵暗号は配送問題を解決できるが処理が遅いという、双方の弱点を互いに補い合う構成になっている。これによって鍵管理の容易さと実用的な処理性能を同時に満たしている。
出典・参考
公式シラバスの1 技術要素 > 1 情報セキュリティ > 情報セキュリティ技術(暗号技術)に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。