IPsecとは?アイピーセック
IPsecとは、IPパケットそのものを暗号化・認証して守るプロトコル群。ネットワーク層で働くため、上位のアプリケーションを個別に改修しなくても拠点間の通信をまとめて保護でき、インターネット回線を使った拠点間VPNの標準的な方式として使われる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
インターネットの基盤であるIPは届けることだけを目的に設計され、盗聴・改ざん・送信元の詐称を防ぐ仕組みを持たない。アプリケーションごとに暗号化を実装する手もあるが、社内で使う業務システムをすべて改修するのは現実的でない。そこで通信路そのものを下の層で覆い、上のアプリケーションからは普通の社内通信に見えるようにする方式が求められた。専用線の代わりに安価な回線で拠点を結びたいという費用の要請も後押しした。
具体例
ヤマハのRTXシリーズやCisco、FortiGateといった業務用ルータ・UTMは拠点間のIPsecトンネル機能を標準で備え、本社と支店を結ぶ構成が広く使われる。クラウド側でも、AWSのSite-to-Site VPNはIPsecでオンプレミスの拠点と仮想ネットワークを接続する。
試験での引っ掛け
TLSと働く層が違う。IPsecはネットワーク層でIPパケットごと守るためアプリケーションを選ばず、TLSはより上位でアプリケーション単位に効く。またIPsecの構成要素のうち、認証と完全性だけを担うのがAH、暗号化まで行うのがESPで、「IPsecなら常に暗号化される」とは言えない。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問28(IPA)
PCとサーバとの間でIPsecによる暗号化通信を行う。ブロック暗号の暗号化アルゴリズムとしてAESを使うとき、用いるべき鍵はどれか。
正解:PCとサーバで共有された共通鍵
要点:AESは共通鍵暗号なので双方で共有した共通鍵を使う
AESは共通鍵暗号(ブロック暗号)であり、暗号化と復号に同じ鍵を使う。したがってIPsecの通信では、鍵交換によってPCとサーバの双方が共有した共通鍵を用いる。公開鍵暗号は、この共通鍵を安全に共有する段階などで使われる。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問28(IPA)
OSI基本参照モデルのネットワーク層で動作し、“認証ヘッダ(AH)”と“暗号ペイロード(ESP)”の二つのプロトコルを含むものはどれか。
正解:IPsec
要点:IPsecはネットワーク層でAHとESPを使い通信を保護する
IPsecはネットワーク層で動作するセキュリティプロトコル群で、完全性と認証を提供するAHと、暗号化に加え認証も行えるESPから成る。鍵交換にはIKEを用いる。ネットワーク層で保護するため上位のアプリケーションを問わず適用でき、VPNの構築に広く使われる。
出典:令和元年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問17(IPA)
PCとサーバとの間でIPsecによる暗号化通信を行う。通信データの暗号化アルゴリズムとしてAESを使うとき、用いるべき鍵はどれか。
正解:PCとサーバで共有された共通鍵
要点:AESは共通鍵暗号。IPsecのデータ暗号化には共有した共通鍵を使う
AESは共通鍵暗号方式であり、暗号化と復号に同一の鍵を使う。IPsecでは鍵交換プロトコル(IKE)によって通信相手と安全に共通鍵を共有し、その鍵でデータを暗号化する。公開鍵暗号は鍵交換や相手認証の段階で使われるが、大量のデータ本体の暗号化には処理が高速な共通鍵暗号を用いる。
出典・参考
公式シラバスの1 技術要素 > 5 セキュリティ実装技術 > セキュアプロトコルに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。