著作権の帰属(開発委託)とは?ちょさくけんのきぞく
著作権の帰属(開発委託)とは、委託して作らせたプログラムの著作権は、契約に特段の定めがなければ、実際に創作した受託者(ベンダ)に残る。発注者が権利を得るには、契約書で譲渡または利用許諾の範囲を明示する必要がある。譲渡の際は翻案権など(著作権法27条・28条)を個別に書かないと移らない点も押さえる。
最終更新:2026-10-07
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著作権法は創作した人に権利を発生させる建て付けで、費用を出した人に発生させるとは書いていない。会社の中で従業員が作ったものが会社のものになるのは、職務著作という別の規定が働くからである。委託先は別の法人なのでこの規定は届かず、契約でしか権利を動かせない。ここを知らずに発注すると、後から動かせなくなる。
具体例
組込みソフトの開発を委託し、契約に著作権条項を置かないまま納品を受けると、発注者は納品物を自由に改変したり別機種へ流用したりできず、そのつど受託者の許諾が要る。ソースコードの提供と権利の譲渡は別の話なので、契約には両方を書き分ける。
試験での引っ掛け
「費用を負担したのだから発注者のもの」という理解は誤り。職務著作によって法人に帰属するのは、あくまでその法人と従業者との関係の話であり、委託先との関係には及ばない。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問30(IPA)
企業が請負で受託して開発したか、又は派遣契約によって派遣された社員が開発したプログラムの著作権の帰属に関し契約に定めがないとき、著作権の原始的な帰属はどのように…
正解:請負の場合は発注先に帰属し、派遣の場合は派遣先に帰属する。
要点:著作権は請負なら受託側、派遣なら指揮命令する派遣先に帰属
著作権は原則として実際に創作した者の側に発生する。請負では受託した企業(発注先)の従業員が職務として創作するので著作権は発注先に原始的に帰属する。派遣では派遣社員が派遣先の指揮命令の下で職務として創作するため、職務著作として派遣先に帰属する。いずれも契約に定めがない場合の原則である。
出典:令和3年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問25(IPA)
システム開発委託契約の委託報酬におけるレベニューシェア契約の特徴はどれか。
正解:開発するシステムから得られる収益を委託側が受託側にあらかじめ決められた配分率で分配する。
要点:レベニューシェアは収益を決めた配分率で分け合う
レベニューシェア契約は、開発したシステムが生む収益を、あらかじめ決めた配分率で委託側と受託側が分け合う契約形態である。受託側は初期の開発費を抑えて引き受ける代わりに、収益が上がれば分配を受けられるが、収益が出なければ報酬も減るため、双方がリスクとリターンを共有する点が特徴である。
出典:令和4年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問30(IPA)
A社は顧客管理システムの開発を、情報システム子会社であるB社に委託し、B社は要件定義を行った上で、ソフトウェア設計・プログラミング・ソフトウェアテストまでを、協…
正解:C社
要点:職務著作は法人に帰属、譲渡の定めがなければ受託側に残る
プログラムを実際に作成したのはC社の社員Dだが、法人の業務として職務上作成したプログラムの著作権は、特段の取決めがなければその法人に帰属する(職務著作)。また委託契約に著作権譲渡の定めがなければ、権利は受託側に残る。したがって著作権は実際に開発を行ったC社に帰属する。
出典:令和7年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問17(IPA)
委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に、“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐた…
正解:納品されたソフトウェアを委託先の了解なく委託元で修正できなくなること、又は他の会社に修正を依頼できなくなることを防ぐ。
要点:人格権不行使特約は納品物を自由に改修するため
著作者人格権には同一性保持権が含まれ、著作者に無断で改変されない権利を持つ。著作財産権を委託元に移転しても人格権は著作者に残り譲渡できないため、委託先が同一性保持権を主張すると委託元は納品物を自由に修正できなくなる。これを避けるために不行使の特約を置く。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。