期待値計算(EMV)とは?いーえむぶい
期待値計算(EMV)とは、起こりうる結果それぞれの金額に、その発生確率を掛けて合計した値。EMV(Expected Monetary Value:期待金額価値)とも呼ぶ。確率のついた複数の選択肢を1つの数値に揃えるため、デシジョンツリーの各枝の評価やリスク対応の要否判断に使う。
最終更新:2026-10-07
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不確実な選択を経験と勘で比べると、判断の根拠が言語化されず、後から検証もできない。確率と金額という測れる2つの量に分解して掛け合わせれば、性質の違う選択肢を同じ土俵で並べられる。OR(オペレーションズリサーチ)の意思決定手法がこの形を取るのはそのためで、リスクマネジメントの定量的分析でも中心に置かれる。
具体例
対策費500万円をかけると、発生確率20%・損害5,000万円の障害を確率5%まで下げられるとする。対策なしの期待損失は5,000万円×0.2=1,000万円、対策ありは5,000万円×0.05+500万円=750万円なので、期待値では対策を打つ方が有利と判断できる。
試験での引っ掛け
期待値は平均であって、実際にその金額になるわけではない。1回限りの判断や、最悪ケースが事業の存続に関わる場合は、期待値が有利でも選べない(そこからはリスク選好の議論になる)。デシジョンツリーでは、1つの分岐から出る枝の確率の合計が1になるかを必ず確かめる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問19(IPA)解説で登場
PMBOKガイド 第5版によれば,定量的リスク分析で実施することはどれか。
正解:特定したリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。
要点:定性的は優先順位付け、定量的は目標への影響を数値評価
定量的リスク分析は、定性的分析で絞り込んだリスクについて、発生確率と影響度を数値化してプロジェクト目標全体への影響を数量的に評価する工程である。期待金額価値分析やモンテカルロシミュレーションなどを用いる。優先順位付けは定性的リスク分析、洗い出しはリスク特定、対応策の立案はリスク対応計画である。
出典:令和6年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問12(IPA)
3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)は、オンラインショッピングにおけるクレジットカード決済時に、不正取引を防止するための本人認証サービスである。3Dセキ…
正解:利用者の過去の取引履歴や決済に用いているデバイスの情報から不正利用や高リスクと判断される場合に、カード会社が追加の本人認証を行う。
要点:3Dセキュア2.0はリスクに応じて追加認証を行う
3Dセキュア2.0は、取引履歴や利用端末の情報などをカード会社へ送り、そのリスク評価に基づいて認証方法を変える「リスクベース認証」を採用している。低リスクと判断された取引では追加認証を求めずに決済を通し、高リスクと判断された場合だけワンタイムパスワードなどの追加認証を行う。これにより不正防止と利便性を両立させている。
出典:令和6年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問19(IPA)
工場の生産能力を増強する方法として、新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で、期待金額価値の高い案を採用するとき、採用すべ…
正解:既存システムの改修、46
要点:期待収入から投資額を引いた46億円の改修案が有利
新規開発の期待収入は0.7×180+0.3×50=141億円で、投資額100億円を引くと期待金額価値は41億円。既存改修の期待収入は0.7×120+0.3×40=96億円で、投資額50億円を引くと46億円。46>41なので、既存システムの改修を採用し、期待金額価値は46億円となる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。