期待値とは?きたいち
期待値とは、取り得る値のそれぞれに、その値が出る確率を掛けて足し合わせた数。何度も繰り返したときに平均的に落ち着く結果を表し、リスクの大きさを金額に換算して対策費と比べる、複数の案の損得を1つの数字に揃えて比べる、といった意思決定の土台になる。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
リスクは「起こる確率」と「起きたときの損害」の2つの数字で語られるが、2つのままでは案を並べて比べられない。確率の低い大損害と、確率の高い小損害のどちらを先に手当てするかを決めるには、両者を同じ単位へ揃える必要がある。掛けて足すという単純な操作でそれを可能にしたのが期待値で、リスクアセスメントの定量的評価はこの考え方に立っている。
具体例
発生確率10%で損失1,000万円、確率90%で損失0なら、損失の期待値は0.1×1,000万=100万円。年間100万円を超える対策費をかけるなら、期待値の上では割に合わないと判断できる。この額が対策費用の上限の目安になる。
試験での引っ掛け
期待値が同じでも、ばらつき(分散)が違えば選ぶべき案は変わる。最悪の場合の損失を最小にするマクシミン原理や、悔恨を最小にするミニマックスリグレット原理とは判断基準そのものが異なる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問4(IPA)解説で登場
容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと、容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて、CPUからみた、主記憶と命令…
正解:(1-r)・x + r・y
要点:平均アクセス時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
平均アクセス時間は、ヒット時とミス時の時間を出現割合で重み付けした期待値である。ミス率がrなのでヒット率は1-rとなり、ヒット時はキャッシュのx、ミス時は主記憶のyがかかる。したがって(1-r)x+ryとなり、容量a・bは重みには関係しない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問5(IPA)解説で登場
容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと、容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて、CPUからみた、主記憶と命令…
正解:(1-r)・x + r・y
要点:平均アクセス時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
平均アクセス時間は、キャッシュにヒットしたときとミスしたときの時間を、それぞれの発生確率で重み付けした期待値になる。ミス率がrなのでヒット率は(1-r)であり、平均アクセス時間は (1-r)・x + r・y と表される。容量aやbは確率とは無関係なので式には現れない。
出典:令和6年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問11(IPA)
ビット誤り率が0.0001%の回線を使って、1,500バイトのパケットを10,000個送信するとき、誤りが含まれるパケットの個数の期待値はおよそ幾らか。
正解:120
要点:パケット誤り率=ビット数×ビット誤り率で期待値120
1パケットは1,500バイト=12,000ビット。ビット誤り率0.0001%=1×10のマイナス6乗なので、1パケットに誤りが含まれる確率はおよそ12,000×10のマイナス6乗=0.012。10,000個送信すると期待値は10,000×0.012=120個となる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。