リスク特定とは?りすくとくてい
リスク特定とは、リスク源・事象・原因・起こり得る結果を発見し、認識し、記述する工程。JIS Q 31000:2019ではリスクアセスメント(特定・分析・評価)の1段目、PMBOKガイドではリスクマネジメントの「リスクの特定」プロセスにあたる。所属する体系と呼び名は違うが、担うのは洗い出して文書化するところまでで、優先順位付けも対応策の決定も含まない点は共通している。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
午前I(令和8年度から科目A-1)は応用情報と同じ範囲を30問で薄く広く問うため、この語は二つの分野から別々に出てくる。テクノロジ系のセキュリティではJIS Q 31000を名指しして「リスクアセスメントを構成するプロセスの組合せ」を、マネジメント系のプロジェクトマネジメントではPMBOKガイドを名指しして「定性的/定量的リスク分析で実施すること」を問う。受験者の専門は1分野だけで残り5分の4は隣の分野なので、セキュリティが専門の人はPMBOK側の工程名で、PMが専門の人はJIS Q 31000側の3段構成で落とす。専門外の体系のほうが失点源になる科目である。
具体例
JIS Q 31000側では、リスクアセスメント=リスク特定+リスク分析+リスク評価の3つ、という組合せがそのまま答えになる。PMBOK側では、「プロジェクトに影響を与える可能性があるリスクを洗い出す」のがリスクの特定、「発生確率や影響度を評価してリスクに優先順位を付ける」のが定性的リスク分析、「特定したリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する」のが定量的リスク分析、と3つが順に並ぶ。
試験での引っ掛け
セキュリティ側では、リスク受容やリスク対応をアセスメントの構成要素に混ぜた選択肢が誤答になる。マネジメント側では、定量的リスク分析を問う設問の誤答に「リスクを洗い出す」(=リスクの特定)や「発生確率と影響度で優先順位を付ける」(=定性的リスク分析)が並ぶ。どちらも隣り合う工程の説明を持ってきた形なので、設問がJIS Q 31000とPMBOKガイドのどちらを名指ししているかを先に読むこと。洗い出すのが特定、優先順位を付けるのが定性的、数量的に分析するのが定量的、という3段の並びを取り違えない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問19(IPA)解説で登場
PMBOKガイド 第5版によれば,定量的リスク分析で実施することはどれか。
正解:特定したリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。
要点:定性的は優先順位付け、定量的は目標への影響を数値評価
定量的リスク分析は、定性的分析で絞り込んだリスクについて、発生確率と影響度を数値化してプロジェクト目標全体への影響を数量的に評価する工程である。期待金額価値分析やモンテカルロシミュレーションなどを用いる。優先順位付けは定性的リスク分析、洗い出しはリスク特定、対応策の立案はリスク対応計画である。
出典:令和4年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問13(IPA)
JIS Q 31000:2019(リスクマネジメント-指針)におけるリスクアセスメントを構成するプロセスの組合せはどれか。
正解:リスク特定、リスク分析、リスク評価
要点:リスクアセスメント=特定・分析・評価の3プロセス
JIS Q 31000では、リスクアセスメントはリスク特定・リスク分析・リスク評価の3つのプロセスで構成される。リスク対応はアセスメントの結果を受けて実施する後続のプロセスであり、アセスメントには含まれない。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 2. 情報セキュリティ管理 > (2) リスク分析と評価に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。