リスク対応とは?りすくたいおう
リスク対応とは、リスクアセスメントの結果を受けて、個々のリスクにどう手を打つかを決める工程。選択肢は回避・低減(軽減)・移転(共有)・保有(受容)の4つで、選んだ選択肢を実行するための管理策の決定までが範囲。対応してもなお残る分が残留リスク。
最終更新:2026-10-07
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すべてのリスクをゼロにしようとすると予算がいくらあっても足りない、という現実から生まれた枠組み。対策費が想定損害を上回るなら手を打たないほうが合理的だが、それを担当者の判断で黙って見送ると、後から「なぜ放置したのか」が説明できない。どの手を選び、何を承認のうえ残したかを記録に残す形にしたのがリスク対応と残留リスクの承認。午前I(科目A-1)では、セキュリティが専門外の受験者にも4分類の当てはめが問われる。
具体例
外部の攻撃を受けやすい旧式の公開サービスを止めてしまうのが回避。多重化やWAF導入で発生確率・影響を下げるのが低減。東京海上日動などが商品化しているサイバー保険への加入や、運用の外部委託が移転(リスクファイナンシング)。影響が受容基準の範囲内で対策費が上回るため、承認のうえ何もしないと決めるのが保有。
試験での引っ掛け
移転は損害を金銭や契約で肩代わりさせるだけで、事故の発生確率そのものは下がらない——回避と取り違えない。委託しても顧客に対する説明責任は委託元に残る。また保有は「放置」ではなく、残留リスクを受容基準に照らして責任者が承認した状態を指す。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問19(IPA)解説で登場
PMBOKガイド 第5版によれば,定量的リスク分析で実施することはどれか。
正解:特定したリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。
要点:定性的は優先順位付け、定量的は目標への影響を数値評価
定量的リスク分析は、定性的分析で絞り込んだリスクについて、発生確率と影響度を数値化してプロジェクト目標全体への影響を数量的に評価する工程である。期待金額価値分析やモンテカルロシミュレーションなどを用いる。優先順位付けは定性的リスク分析、洗い出しはリスク特定、対応策の立案はリスク対応計画である。
出典:令和2年度 10月試験 高度試験 午前Ⅰ 問19(IPA)
PMBOKガイド 第6版によれば、脅威と好機の、どちらに対しても採用されるリスク対応戦略として、適切なものはどれか。
正解:受容
要点:受容は脅威・好機の双方に共通するリスク対応戦略
PMBOKガイド第6版では、脅威に対しては回避・転嫁・軽減・受容、好機に対しては活用・共有・強化・受容という戦略が示されている。両方に共通して挙げられているのは「受容」で、積極的に対応せず発生した場合に対処する(あるいはコンティンジェンシー予備を用意する)という戦略である。
出典:令和4年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問13(IPA)解説で登場
JIS Q 31000:2019(リスクマネジメント-指針)におけるリスクアセスメントを構成するプロセスの組合せはどれか。
正解:リスク特定、リスク分析、リスク評価
要点:リスクアセスメント=特定・分析・評価の3プロセス
JIS Q 31000では、リスクアセスメントはリスク特定・リスク分析・リスク評価の3つのプロセスで構成される。リスク対応はアセスメントの結果を受けて実施する後続のプロセスであり、アセスメントには含まれない。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 1. システム化計画 > (3) システム化計画の立案における検討項目に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。