NPV(正味現在価値)とは?えぬぴーぶい
NPV(正味現在価値)とは、投資が将来生むキャッシュフローを資本コスト等の割引率で現在価値に割り引いて合計し、初期投資額を差し引いた金額。値が正なら投資に値し、複数案では大きいほうを選ぶ。貨幣の時間価値を織り込む点が回収期間法との決定的な違いで、割引率を高く置くほど遠い将来のキャッシュフローは小さく評価される。
最終更新:2026-10-06
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投資判断が回収期間や単年度の利益だけで行われていた時代は、5年後の1億円と今年の1億円が同じ重みで並び、資金調達のコストも回収の早さも比較に入らなかった。支出が先行して効果が数年かけて現れるIT投資ほど、この歪みは大きく出る。NPVは将来の金額を今の価値に換算して同じ土俵に載せる道具で、シラバスでも現在価値換算はIT投資の効果分析に必要な知識として挙がっている。
具体例
基幹システム刷新の稟議で、初期投資1,000万円・以後3年間に毎年500万円の効果、割引率10%とすると、500/1.1+500/1.1²+500/1.1³−1,000=約243万円がNPVになる。役員会では「当社の資本コスト8%で見ても正である」と示す形で使う。
試験での引っ掛け
回収総額が同じでも、早く回収する案のほうがNPVは大きくなる。割引率を上げるほどNPVは小さくなる。IRRは「NPVがゼロになる割引率」であり、投資規模が違う案ではNPVの順位と一致しないことがある。回収期間法は時間価値を考えない点で別物。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュ…
正解:B
要点:回収額が同じなら早く回収するほど正味現在価値は大きくなる
正味現在価値法では、各年の回収額を割引率5%で現在価値に換算して合計し、投資額を差し引く。回収額の合計はいずれも240万円で同じだが、早く回収するほど割引による目減りが小さい。1年目に120万円と最も多く回収するシナリオBだけが現在価値の合計が投資額220万円を上回り、正味現在価値がプラスとなるため最も有利である。
出典:令和3年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
情報システムの導入と活用によって生み出されるキャッシュフローの現在価値を計算することによって、投資効果を評価したい。このときに使われる指標はどれか。
正解:NPV
要点:NPVは将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する指標
NPV(正味現在価値)は、投資によって将来生じるキャッシュフローを一定の割引率で現在価値に換算し、その合計から投資額を差し引いた金額である。NPVが正なら資本コストを上回る価値を生むと判断できるため、キャッシュフローの現在価値で投資効果を評価する指標として用いられる。
出典:令和5年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
スマートフォン向けのアプリケーションプログラムの開発プロジェクトa〜dにおいて、2年間の投資効果をNPVで評価する場合、投資効果が最大となるプロジェクトはどれか…
正解:c
要点:NPVは各年CFを現在価値に割り引き初期投資を差し引いて比較する
割引率10%で各年のキャッシュフローを現在価値にすると、1年後は1.1で、2年後は1.21で割る。NPVはaが-7.9+4.0+4.0=0.1、bが-5.5+3.0+3.0=0.5、cが-4.3+3.0+2.0=0.7、dが-6.1+2.0+3.0=-1.1(単位は百万円)となり、cが最大である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。