WACC・資本コストとは?
WACC・資本コストとは、企業が資金を調達するために必要な費用の率。借入にかかる負債コストと、株主が期待する収益率である株主資本コストを、資金構成比で加重平均したものがWACC。投資案件はWACCを上回る収益率を生んで初めて企業価値を増やすため、割引率やハードルレートの基準に使われる。
ITストラテジスト試験の過去問では3回出題されています(2019年度〜2024年度)。
だぶりゅーえーしーしー・しほんこすと
WACC・資本コストの意味
企業が資金を調達するために必要な費用の率。借入にかかる負債コストと、株主が期待する収益率である株主資本コストを、資金構成比で加重平均したものがWACC。投資案件はWACCを上回る収益率を生んで初めて企業価値を増やすため、割引率やハードルレートの基準に使われる。
WACC・資本コストの具体例
負債コスト2%(節税効果考慮後)、株主資本コスト8%、負債:資本=4:6ならWACCは2%×0.4+8%×0.6=5.6%。
WACC・資本コストは試験でどう引っ掛けられる?
WACCは調達コストの率であって投資案件の収益率ではない。NPVを計算するときの割引率に使うのがWACCで、NPVがゼロになる割引率がIRR。負債コストは支払利息が損金になるため税引後(節税効果を差し引いた後)で加重する点を落としやすい。「負債は株主資本より低コストだから負債を増やすほどWACCは下がり続ける」も誤りで、財務リスクが上がると株主資本コストが上昇する。
WACC・資本コストと関連する用語
WACC・資本コストが出た過去問
投資効果の評価に用いられる内部収益率法(IRR法)を説明したものはどれか。
正解:投資から回収される現金収入(利益額)の現在価値が投資額に等しくなるような割引率を求め、基準の割引率よりも大きければ有利と評価する方法である。
要点:IRR法はNPVがゼロになる割引率を求め基準率と比較する
内部収益率法(IRR法)は、投資から得られる将来キャッシュインフローの現在価値の合計が投資額と等しくなる割引率(正味現在価値がゼロになる割引率)を内部収益率として求め、それが資本コストなどの基準割引率を上回れば有利と判断する評価方法である。率で比較できるため規模の異なる案件も並べやすい。
出典:令和1年度 秋期 ITストラテジスト試験 am2 問22(IPA)情報システムの導入と活用によって生み出されるキャッシュフローの現在価値を計算することによって、投資効果を評価したい。このときに使われる指標はどれか。
正解:NPV
要点:NPVは将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する指標
NPV(正味現在価値)は、投資によって将来生じるキャッシュフローを一定の割引率で現在価値に換算し、その合計から投資額を差し引いた金額である。NPVが正なら資本コストを上回る価値を生むと判断できるため、キャッシュフローの現在価値で投資効果を評価する指標として用いられる。
出典:令和3年度 春期 ITストラテジスト試験 am2 問2(IPA)EVA(経済的付加価値)の算出方法を説明したものはどれか。
正解:税引後営業利益から資本コストを引いて金額を求める。
要点:EVAは税引後営業利益から資本コストを引いた価値
EVA(経済的付加価値)は、税引後営業利益(NOPAT)から投下資本に資本コスト率を乗じた資本コストを差し引いて求める。株主資本の機会費用まで負担したうえでなお残る利益を測るため、会計上の利益が黒字でもEVAがマイナスになることがある。
出典:令和6年度 春期 ITストラテジスト試験 am2 問21(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。