労働者派遣法(派遣と請負の違い)とは?ろうどうしゃはけんほう
労働者派遣法(派遣と請負の違い)とは、労働者派遣事業の適正な運営と派遣労働者の保護を定める法律。派遣は派遣元と雇用契約を結んだ労働者を派遣先へ送り、指揮命令は派遣先が行う。これに対し請負は仕事の完成を約束する契約で、発注者は請負会社の労働者へ直接指示できない。誰が指揮命令するかが両者の分かれ目になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
労働者を他社に送り込んで働かせる形は、中間搾取と責任の所在のあいまいさという弊害から、長く原則禁止とされてきた。必要性を認めつつ弊害を抑えるため、許可を受けた事業者に限り、雇用主と指揮命令者が分かれる形を例外的に認めたのがこの法律である。情報システムの分野では客先常駐が一般的で、契約の形と現場の実態がずれやすい。誰が指示し、誰が労務管理と情報の取扱いに責任を負うかの切り分けは、そのまま情報セキュリティの管理責任の切り分けになる。
具体例
厚生労働省は「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)を示しており、業務の遂行方法の指示や労働時間の管理を発注者が行っていないかが判断の目安になる。ISMSの運用でも、常駐要員が派遣か請負かによって、入退室権限の付与、作業指示の出し方、セキュリティ教育の実施主体が変わる。
試験での引っ掛け
契約書の表題ではなく実態で判断される。「請負契約」と書いていても発注者が作業者へ直接指示していれば偽装請負となり、労働者派遣法違反に問われる。準委任契約も仕事の完成を約束しない点で請負と異なるが、指揮命令権が受託側にある点は同じ。派遣では労務管理の責任が派遣元と派遣先に分かれることも整理しておく。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問36(IPA)解説で登場
請負契約の下で,自己の雇用する労働者を契約先の事業所などで働かせる場合,適切なものはどれか。
正解:雇用主が自らの指揮命令の下に当該労働者を業務に従事させる。
要点:請負では雇用主が自ら指揮命令する。契約先の指示は偽装請負
請負は仕事の完成を目的とする契約であり、労働者を指揮命令するのはあくまで雇用主である請負業者側である。契約先の事業所で作業する場合でも、契約先が直接指示を出せば偽装請負となり、労働者派遣法などに抵触する。
出典:平成29年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問36(IPA)
大規模なシステム開発を受注したA社では,不足する開発要員を派遣事業者であるB社からの労働者派遣によって補うことにした。A社の行為のうち,労働者派遣法に照らして適…
正解:システム開発が長期間となることが予想されるので,開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。
要点:派遣先は事前特定や性別指定を行えず、苦情処理の責任も負う
労働者派遣では、派遣先が事前に派遣労働者を特定する行為は禁じられており、性別や年齢を指定して依頼することもできない。また苦情への対応は派遣先も担う責務であり、丸投げはできない。派遣期間については、当時の法令上3年を上限とする契約が認められていた。
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問36(IPA)
労働者派遣法に照らして,派遣先の対応として,適切なものはどれか。ここで,派遣労働者は期間制限の例外に当たらないものとする。
正解:工場で3年間働いていた派遣労働者を,今年から派遣を受け入れ始めた本社で正社員として受け入れた。
要点:派遣は原則3年の期間制限があり、直接雇用が受け皿になる
労働者派遣には事業所単位・個人単位の期間制限があり、原則3年を超えて同一の組織単位で受け入れることはできない。工場で3年働いた派遣労働者を本社が正社員として直接雇用することは、期間制限に反せず、むしろ雇用の安定を図る措置として想定されている対応である。教育訓練は派遣労働者にも均衡を考慮して実施する必要がある。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。