電子計算機損壊等業務妨害罪とは?でんしけいさんきそんかいとうぎょうむぼうがいざい
電子計算機損壊等業務妨害罪とは、人ではなく機械に働きかけて他人の業務を止めた場合に成立する刑法上の罪。コンピュータや電磁的記録を壊す、虚偽の情報や不正な指令を与えるといった手段で、本来の使用目的どおりの動作をさせなかったことが要件になる。サーバの停止や設定の書換えによる業務停止が典型で、法定刑は通常の業務妨害罪より重い。
最終更新:2026-10-06
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刑法がもともと想定していた業務妨害は、人に対する偽計や威力によるものだった。業務の中身がコンピュータ処理に置き換わると、機械を止めるだけで業務が止まるのに、人を欺いても脅してもいないため既存の条文では捉えきれない。この隙間を埋めるため、1987年の刑法改正でコンピュータ関連の罪がまとめて新設され、本罪もその一つとして置かれた。
具体例
刑法第234条の2に定められている。実務では、システムの停止や設定改変が起きたときにどの行為がどの罪にあたるかを警察へ相談できる形で示せるよう、操作記録の保全と権限の棚卸しを平時の手順に組み込んでおく。
試験での引っ掛け
行為の種類で罪名が分かれる。ウイルスの作成・保管は不正指令電磁的記録に関する罪、他人のIDでの侵入は不正アクセス禁止法にあたる。本罪は「業務が妨害されたか」が分かれ目で、記録を壊しても業務に影響がなければ別の罪の問題になる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問33(IPA)解説で登場
刑法における“電子計算機損壊等業務妨害”に該当する行為はどれか。
正解:企業が運営するWebサイトに接続し、Webページを改ざんした。
要点:データ改ざんで業務を妨げるのが電子計算機損壊等業務妨害
電子計算機損壊等業務妨害罪は、コンピュータやそこで使うデータを壊す・改変するなどして、本来の使用目的に沿う動作をさせず業務を妨害する行為を処罰する。Webページの改ざんはデータを不正に書き換えて運営業務を妨げるため、これに当たる。
出典:令和元年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問31(IPA)解説で登場
企業において業務で使用されているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者がいたとき、その者を処罰の対象とする法…
正解:刑法
要点:媒体経由のマルウェアによるデータ消去は刑法で処罰される
記憶媒体経由でマルウェアを侵入させてデータを消去する行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録不正作出・毀棄などの規定で処罰の対象となる。不正アクセス禁止法はネットワーク経由で他人の識別符号等を使ってアクセス制御を突破する行為を対象とするため、本問の事例には当たらない。
出典:令和4年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問32(IPA)解説で登場
企業が業務で使用しているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:マルウェアによるデータ消去は刑法で処罰される
マルウェアを侵入させてデータを消去し、業務を妨げる行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録不正作出・毀棄などの規定で処罰される。またマルウェアの作成・提供・取得自体も刑法の不正指令電磁的記録に関する罪の対象である。不正アクセス禁止法は他人のIDでネットワーク経由の不正ログインを規制する法律で、記憶媒体経由の本件には当たらない。
出典:令和8年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問7(IPA)解説で登場
刑法の電子計算機損壊等業務妨害に該当する行為はどれか。
正解:プロバイダのサーバに侵入し、サーバに保管されていたある企業が業務に使用しているWebページの内容を故意に消去したり、書き換えたりした。
要点:電子計算機損壊等業務妨害はデータ破壊等で業務を妨げる行為
電子計算機損壊等業務妨害罪は、コンピュータやそこで使われる電磁的記録を壊す、あるいは虚偽のデータや不正な指令を与えるなどして、コンピュータを使う業務を妨害する行為を罰するものです。企業が業務で使うWebページの内容をサーバ上で消去・改ざんする行為は、まさにこれに該当します。
出典・参考
公式シラバスの2 企業と法務 > 2 セキュリティ関連法規 > 刑法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。