MAC(メッセージ認証符号)とは?まっく
MAC(メッセージ認証符号)とは、MAC(Message Authentication Code:メッセージ認証符号)は、送信者と受信者が共有する共通鍵とメッセージから固定長のタグを計算して添え、受信側が同じ鍵で再計算して照合することにより、改ざんの有無と送信者が鍵の共有相手であることを確かめる仕組み。ハッシュ関数を用いるHMACと、ブロック暗号を用いるCMACが代表で、暗号化と一体化したものが認証暗号(AEAD)である。
最終更新:2026-10-06
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ハッシュ値をデータに添えるだけでは改ざんを検知できない。途中で中身を書き換える相手は、ハッシュ値も計算し直して差し替えられるからである。検知を成立させるには「その値を計算できるのは鍵を持つ者だけ」という条件が要り、そこでハッシュや暗号に共通鍵を混ぜたのがMACである。デジタル署名でも同じ検知はできるが、公開鍵演算は重く鍵の配布に基盤が要るため、当事者間で鍵を共有できる場面では軽いMACが選ばれる。
具体例
Webhookの受信側が本物の送信元からの通知かを確かめるとき、送信側が本文とあらかじめ共有した秘密からHMAC-SHA-256のタグを計算してヘッダに入れ、受信側が同じ計算をして照合する、という設計が広く使われている。TLS 1.3のレコード保護も、暗号化と改ざん検知をまとめたAEADとしてこの働きを含んでいる。
試験での引っ掛け
MACには否認防止の効果がない。鍵を共有する両者のどちらでも同じタグを作れるため、第三者に対して「送信者が作った」ことを証明できず、そこが必要ならデジタル署名が要る――この対比が定番の出題。またネットワーク機器のMACアドレス(Media Access Control address)とは無関係の別語で、設問の分野で見分ける。実装面では、タグの照合を先頭から打ち切る比較で書くとタイミング攻撃の入口になるため、定数時間比較を使う。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問9(IPA)解説で登場
暗号に関連するデータのうち,次に示す処理で出力可能なものはどれか。 〔処理〕 (1) カウンタを初期化する。 (2) その時点に得た時刻データを共通鍵で暗号化す…
正解:擬似乱数
要点:共通鍵とカウンタの反復は擬似乱数生成の構成
示された手順は、時刻データを種として共通鍵暗号を繰り返し適用し、カウンタを更新しながら出力を次々と生成するものです。これは暗号アルゴリズムを用いた擬似乱数生成器の典型的な構成で、必要な個数だけ予測困難な値を作れます。証明書やハッシュ値、メッセージ認証コードは生成手順が異なります。
出典:平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
インターネットバンキングサービスを提供するWebサイトを利用する際に,トランザクション署名の機能をもつハードウェアトークンを利用する。次の処理を行うとき,(4)…
正解:振込先口座番号と振込金額が改ざんされていないことを確認できる。
要点:MACの照合は取引内容の改ざん検知に使える
MAC(メッセージ認証符号)は、共有する鍵とメッセージからつくる検証用の値で、受信側が同じ手順で再計算して一致を確認することでメッセージの完全性と送信者の正当性を検証できる。ここではトークンが振込先口座番号と振込金額からMACを生成しているので、送信途中でこれらの値が書き換えられればMACが一致せず、改ざんを検知できる。マルウェアが通信内容を書き換える中間者型の不正送金対策として有効である。
出典:令和3年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
イーサネットにおいて、ルータで接続された二つのセグメント間でのコリジョンの伝搬と、宛先MACアドレスの全てのビットが1であるブロードキャストフレームの中継につい…
正解:コリジョンの伝搬:伝搬しない、ブロードキャストフレームの中継:中継しない
要点:ルータはコリジョンもブロードキャストも越えさせない
コリジョンは同一のコリジョンドメイン内で起こる現象で、リピータハブは伝えるがブリッジやスイッチ、ルータはフレームを蓄積して転送するため伝搬しない。またルータはブロードキャストドメインの境界となり、宛先MACが全ビット1のブロードキャストフレームを他のセグメントへは中継しない。したがってどちらも「伝搬・中継しない」となる。
出典:令和4年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
送信者から受信者にメッセージ認証符号(MAC:Message Authentication Code)を付与したメッセージを送り,さらに受信者が第三者に転送した…
正解:MACは,送信者がメッセージと共通鍵を用いて生成する。MACを用いると,受信者がメッセージの完全性を確認できる。
要点:MACは共通鍵で完全性を確かめるが第三者への証明力はない
MACは、メッセージと送受信者だけが共有する共通鍵から計算される値で、受け取った側が同じ鍵で再計算して一致を確かめることで改ざんの有無を判定できる。鍵を知る者なら誰でも同じ値を作れるため、鍵を持たない第三者に対して「誰が作ったか」を証明する力はない。送信者を特定し否認を防ぐ用途にはディジタル署名が必要である。
出典:令和6年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
送信者から受信者にメッセージ認証符号(MAC:Message Authentication Code)を付与したメッセージを送り、次に受信者が第三者に転送した。…
正解:MACは、送信者がメッセージと共通鍵を用いて生成する。MACを用いると、受信者がメッセージの完全性を確認できる。
要点:MACは共通鍵で完全性を確認する仕組みで否認防止はできない
MACは、メッセージと送信者・受信者が共有する共通鍵からハッシュ関数などを用いて生成する短い値である。受信者は同じ鍵で計算し直して照合することで、メッセージが改ざんされていないこと(完全性)と、鍵を知る相手が作ったものであることを確認できる。ただし鍵を共有する当事者なら誰でも同じ値を作れるため、第三者に対して送信者を証明する否認防止の効果はなく、そこはデジタル署名との決定的な違いである。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (8) 情報セキュリティに関する技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。