タイミング攻撃とは?たいみんぐこうげき
タイミング攻撃は、暗号処理や照合処理にかかる時間の差から秘密情報を推定するサイドチャネル攻撃の一種。鍵のビット値によって実行される演算が変わる実装や、先頭から順に比較して不一致の時点で打ち切る文字列比較が手掛かりになり、1回の差はごく小さくても多数回の測定を統計的に処理すれば取り出せる。
最終更新:2026-10-06
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処理を速くするための工夫が、そのまま情報の漏えい経路になる。条件によって計算を省く、一致しない時点で打ち切る、値によってキャッシュに当たる/当たらないが変わる――いずれも性能のための最適化だが、その差は秘密の値と相関している。攻撃者が装置に触れなくても、応答時間という形でネットワーク越しに測れる場合がある点が、他の物理的なサイドチャネルとの違いであり、支援士でWebアプリの実装レビューの論点として出る理由でもある。
具体例
APIトークンの照合を先頭から1バイトずつ比較して不一致で打ち切る実装にしていると、応答時間の差から正しい文字を1桁ずつ確定させられる。対策として、OpenSSLのCRYPTO_memcmpやPythonのhmac.compare_digestのような定数時間比較の関数へ置き換えるか、双方をハッシュ化してから固定長で比べ、長さや一致位置が時間差に現れないようにする。
試験での引っ掛け
対策は「処理時間を秘密情報に依存させない」ことであり、鍵長を伸ばしても、CRYPTREC暗号リストに載った方式を選んでも防げない。狙われているのは方式ではなく実装だからである。またネットワーク越しの測定はノイズで成立しないと決めつけるのも誤りで、測定回数を重ねれば統計的に分離できる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問10(IPA)
サイドチャネル攻撃の手法であるタイミング攻撃の対策として,最も適切なものはどれか。
正解:演算アルゴリズムに対策を施して,機密情報の違いによって演算の処理時間に差異が出ないようにする。
要点:処理時間を秘密情報に依存させないのが対策
タイミング攻撃は、暗号処理にかかる時間が鍵の値によって変化することを利用し、処理時間の統計から秘密情報を推定する攻撃です。したがって対策は、秘密情報の値にかかわらず処理時間が一定になるようアルゴリズムや実装を工夫することです。
出典:平成29年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問8(IPA)解説で登場
暗号化装置において暗号化処理時に消費電力を測定するなどして,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃はどれか。
正解:サイドチャネル攻撃
要点:サイドチャネル攻撃は消費電力等の物理情報から鍵を推定
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズムそのものではなく、実装が動作するときに外部へ漏れる物理的な情報を手掛かりに鍵を推定する攻撃である。消費電力を測る電力解析、処理時間を測るタイミング攻撃、電磁波や動作音を利用するものなどがある。対策としては処理時間や消費電力を入力値に依存させない実装が求められる。
出典:平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問7(IPA)解説で登場
サイドチャネル攻撃に該当するものはどれか。
正解:暗号化装置における暗号化処理時の消費電力などの測定や統計処理によって,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃
要点:サイドチャネル攻撃は消費電力や時間差から鍵を推定する
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズム自体ではなく、それを実装した装置が動作中に外部へ漏らす物理的な情報を手掛かりに秘密情報を推定する攻撃である。消費電力の波形を統計処理する電力解析、処理時間の差を利用するタイミング攻撃、電磁波解析などが代表例である。
出典:令和2年度 10月試験 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問4(IPA)解説で登場
サイドチャネル攻撃に該当するものはどれか。
正解:暗号アルゴリズムを実装した攻撃対象の物理デバイスから得られる物理量(処理時間や消費電力など)やエラーメッセージから、攻撃対象の秘密情報を得る。
要点:サイドチャネル攻撃は実装が漏らす物理情報から鍵を推定する
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズムそのものの数学的な弱点ではなく、実装した装置が動作中に外へ漏らす副次的な情報を手掛かりに秘密鍵を推定する手法である。消費電力の変動を見る電力解析、処理時間の差を測るタイミング攻撃、漏えい電磁波を捉えるテンペスト、エラー応答の違いを利用する手法などが含まれる。対策には処理時間や消費電力を入力に依存させない実装が求められる。
出典:令和3年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
サイドチャネル攻撃はどれか。
正解:暗号化装置における暗号化処理時の消費電力などの測定や統計処理によって,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃
要点:サイドチャネル攻撃は消費電力など物理情報から鍵を推定する
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズムそのものの数学的な弱点ではなく、実装された装置が外部に漏らす物理的な情報を手掛かりに秘密情報を推定する攻撃である。消費電力の変動を測る電力解析、処理時間の差を測るタイミング攻撃、電磁波や音の観測などが該当する。装置の入出力以外の「側路」から情報を得る点が定義の核心となる。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (7) 攻撃手法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。