サイドチャネル攻撃とは?さいどちゃねるこうげき
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズムそのものを解くのではなく、その実装が動作中に外へ漏らす物理的な情報――消費電力、処理時間、電磁波、音、キャッシュの使われ方――を観測して、秘密鍵や内部状態を推定する攻撃。電力解析(SPA/DPA)、タイミング攻撃、意図的に誤動作させる故障利用攻撃、漏えい電磁波から画面を復元するテンペスト攻撃などがある。
最終更新:2026-10-06
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暗号方式の安全性は「鍵を知らなければ計算が現実的な時間で終わらない」という数学の議論で示される。しかし実際に鍵を扱うのは物理的な装置で、装置は演算の内容に応じて電気を食い、時間をかけ、電磁波を出す。ICカードやHSMのように攻撃者が現物を手にできる機器では、この漏れが解読の入口になる。支援士では、方式の強度と実装の強度は別の話だと切り分けられることが問われる。
具体例
タイミング攻撃と電力差分解析は、いずれもポール・コッハーが1990年代に発表して実用性が示された。以後、ICカードやTPMは耐タンパ性の要件として、演算時間や消費電力が鍵の値に依存しない実装、乱数によるブラインディング、物理的な遮蔽を備えるようになった。
試験での引っ掛け
鍵長を伸ばしても防げない。狙われているのは方式ではなく実装だからで、対策は定数時間実装・ブラインディング・ノイズ付加・遮蔽といった実装側の手当てになる。「CRYPTREC暗号リストに載った方式を使っているから安全」という論法は、この層の話に対しては答えになっていない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問10(IPA)
サイドチャネル攻撃の手法であるタイミング攻撃の対策として,最も適切なものはどれか。
正解:演算アルゴリズムに対策を施して,機密情報の違いによって演算の処理時間に差異が出ないようにする。
要点:処理時間を秘密情報に依存させないのが対策
タイミング攻撃は、暗号処理にかかる時間が鍵の値によって変化することを利用し、処理時間の統計から秘密情報を推定する攻撃です。したがって対策は、秘密情報の値にかかわらず処理時間が一定になるようアルゴリズムや実装を工夫することです。
出典:平成29年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
暗号化装置において暗号化処理時に消費電力を測定するなどして,当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃はどれか。
正解:サイドチャネル攻撃
要点:サイドチャネル攻撃は消費電力等の物理情報から鍵を推定
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズムそのものではなく、実装が動作するときに外部へ漏れる物理的な情報を手掛かりに鍵を推定する攻撃である。消費電力を測る電力解析、処理時間を測るタイミング攻撃、電磁波や動作音を利用するものなどがある。対策としては処理時間や消費電力を入力値に依存させない実装が求められる。
出典:平成29年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
サイドチャネル攻撃の説明はどれか。
正解:暗号アルゴリズムを実装した攻撃対象の物理デバイスから得られる物理量(処理時間や消費電流など)やエラーメッセージから,攻撃対象の機密情報を得る。
要点:実装から漏れる物理量で秘密情報を推定する攻撃
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズム自体の数学的な弱さではなく、実装された機器から漏れる副次的な情報を手掛かりに秘密情報を推定する攻撃です。処理時間、消費電力、電磁波、エラー応答の違いなどが利用されます。
出典:平成30年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問13(IPA)解説で登場
テンペスト攻撃を説明したものはどれか。
正解:処理中に機器から放射される電磁波を観測して解析する。
要点:テンペスト攻撃は漏えい電磁波から情報を復元する
テンペスト攻撃は、ディスプレイやケーブルなど機器から意図せず放射される電磁波を離れた場所で受信し、そこから表示内容や処理データを復元する手法である。機器に触れず痕跡も残らないため検知が難しく、対策は電磁シールドや遮蔽された部屋の利用、放射を抑えた機器の採用となる。サイドチャネル攻撃の一種として位置付けられる。
出典:令和元年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
暗号機能を実装したIoT機器において脅威となるサイドチャネル攻撃に該当するものはどれか。
正解:機器が発する電磁波を測定することによって秘密情報の取得を試みる。
要点:サイドチャネル攻撃は消費電力や電磁波など物理的漏れを利用する
サイドチャネル攻撃は、暗号アルゴリズムの数学的な弱点ではなく、実装された機器が動作中に外部へ漏らす物理的な副次情報を手掛かりに鍵を推定する攻撃である。消費電力、処理時間、電磁波、動作音などが典型的な観測対象で、IoT機器のように攻撃者が実機を手元に置ける環境では特に脅威となる。対策は、処理時間や消費電力を秘密情報に依存させない実装やノイズの付加などである。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (7) 攻撃手法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。