EVM(アーンドバリューマネジメント)とは?いーぶいえむ
EVM(アーンドバリューマネジメント)とは、出来高を金額に換算し、スコープ・スケジュール・コストを1つの尺度で統合管理する手法。PV(計画した作業の予算額)、EV(完了した作業の予算額=出来高)、AC(実際に掛かった費用)の3つから、差異(EV−PV、EV−AC)と効率指数(SPI、CPI)を求め、完成時のコストと時期を予測する。金額に直すことで、進捗と原価を同じグラフの上で語れる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
「進捗80%です」という自己申告は、根拠がなく人によって基準も違うため、遅れが表面化するのが検収直前になりがちだった。完了した作業の予算額という客観的な単位に置き換えれば、進捗の遅れとコストの超過を同じ金額の物差しで、しかも早い段階で検知できる。軍需調達の管理のために制度化されたのが始まりで、いまは炎上したプロジェクトの状況をスポンサへ数字で示すための共通言語になっている。
具体例
米国防総省が1967年にC/SCSC(コスト・スケジュール管理システム基準)として制度化し、後に民間へ広がった。期間の半分が過ぎた時点でPV=5,000万円、EV=4,000万円、AC=4,500万円なら、出来高が計画に1,000万円届かず、しかも500万円余計に使っている状態を意味する。
試験での引っ掛け
予算の消化率は進捗ではない。ACだけを見ても進み具合は分からず、必ずEVと突き合わせる。またEVは「完了した作業の予算額」であって、その作業に実際に掛かった費用ではない。PVとEVの定義を入れ替えると、差異の符号がすべて逆になる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
プロジェクトの進捗管理をEVM(Earned Value Management)で行っている。コストが超過せず,納期にも遅れないと予測されるプロジェクトの状況を…
正解:現在時点で,アーンドバリュー(EV・太線)が最も上,その下にプランドバリュー(PV・細線),実コスト(AC・点線)が最も下という順に並ぶグラフ(EV>PV>AC)。
要点:EV≧PVなら進捗良好、EV≧ACならコスト良好と判断する
EVMではEV(出来高)がPV(計画値)以上ならスケジュールは遅れておらず、EVがAC(実コスト)以上ならコストは超過していない。したがってEV>PVかつEV>ACとなる状態、すなわちEVが最も上でACが最も下という関係のグラフが、納期にもコストにも問題がない状況を表す。
出典:平成29年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(IPA)
EVMを採用しているプロジェクトにおける,ある時点のCPIが1.0を下回っていた場合の対処として,適切なものはどれか。
正解:超過コストの原因を明確にし,CPIの改善策に取り組むとともに,CPIの値を監視する。
要点:CPI<1.0はコスト超過。原因を究明し改善と監視を続ける
CPI(コスト効率指数)はEV÷ACで、1.0を下回るのは出来高に対して実コストが多くかかっている、すなわちコストが超過している状態である。この場合は原因を突き止めて改善策を講じ、その後もCPIを監視して効果を確かめるのが適切な対応となる。指標の悪化を計画側の数値合わせで処理してはならない。
出典:令和4年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(IPA)
EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで、進捗に関する指標値は次のとおりであった。このプロジェクトに対する適切な評価と対策はどれか。 〔進捗に関する…
正解:コストが予算を超えているので,完成時総予算を超過するおそれがあるが,スケジュールには余裕があるので,残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか,コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。
要点:CPI<1は予算超過、SPI>1は進捗先行、TCPI>1は効率改善が必要
CPIが1未満の0.9であることは、投入したコストに見合う出来高が得られておらず予算超過の傾向にあることを示す。一方SPIが1を超える1.1なので進捗自体は計画より先行している。さらにTCPIが1.2と1を上回るのは、残作業を当初予算内に収めるには従来より高いコスト効率が必要ということなので、効率改善策を打つかコンティンジェンシー予備費の使用を検討することになる。
出典:令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
出典:令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
EVMで管理しているプロジェクトがある。図は、プロジェクトの開始日から完了予定日までの期間の半分が経過した時点での状況である。完成時総予算(BAC)どおりに完了…
正解:1.1
要点:TCPIは残予算で残作業を終えるのに要する効率
TCPIは、残りの予算で残作業を終えるために今後必要となるコスト効率を表し、BAC達成を前提とする場合は(BAC−EV)÷(BAC−AC)で求める。図から現時点でEVは34、ACは40、BACは100なので、(100−34)÷(100−40)=66÷60=1.1となる。1を超えるということは、これまでより高い効率で進めなければ予算内に収まらないことを意味する。
出典・参考
公式シラバスの4プロジェクトの管理 > 4-6 スケジュールの管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。