プロジェクトとは?ぷろじぇくと
プロジェクトとは、独自の成果物を生み出すために、開始日と終了日を定めて実施する一回限りの活動。JIS Q 21500は「独自性」と「有期性」を定義の核に置き、進行に伴って要求と計画が段階的に詳細化される点で、同じ手順を反復・継続する定常業務(オペレーション)と区別する。有期性は「成果物が短命」ではなく「活動に終わりがある」ことを指す。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
同じ手順を回す定常業務の枠組みでは、前例のない成果物を作る仕事が扱えなかったことがこの概念の出発点である。恒常組織の指揮命令と年度予算のまま前例のない仕事を始めると、誰が決めるのか・いつ終わるのかが定まらないまま人と金が流れ続ける。そこで目的と期限を先に切り、専任の責任者に権限を与えて一時的な体制を組む形が標準化された。PM試験では論述を含む全問がこの枠組みの上に載るため、定常業務との線引きが答案の前提になる。
具体例
JAXAの「はやぶさ2」は、2014年の打上げから2020年のカプセル帰還までという明確な始まりと終わりをもち、小惑星の試料を持ち帰るという前例のない成果を出したプロジェクトである。対して気象庁が毎日同じ手順で観測データを配信する業務は、終わりが定義されないため定常業務にあたる。
試験での引っ掛け
判定基準は「独自性」と「有期性」の2つだけで、規模・難易度・金額は関係ない。2人・1週間の作業もプロジェクトになる一方、「システム刷新」と名が付いていても毎年同じ手順で回す定期更改は定常業務。有期性を「成果物が一時的」と読むのも誤りで、終わるのは活動のほうである。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
PMBOKによれば,多くのプロジェクトのライフサイクルに共通する特性はどれか。
正解:プロジェクトの不確実性の度合いは,プロジェクトの開始時が最も高い。
要点:不確実性は開始時が最大、変更コストは後期ほど増大する
プロジェクトは開始時点で要求も方法も固まっておらず、不確実性とリスクが最も大きい。進行につれて情報が増え不確実性は下がっていく一方、変更やエラー訂正にかかるコストは後になるほど大きくなる。要員数は中盤で山を迎え、終盤には減っていくのが一般的な形である。
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
プロジェクトの開始を公式に承認する文書の作成を依頼された者の行動として,適切なものはどれか。
正解:プロジェクト憲章を作成し,プロジェクトスポンサに文書の承認を求めた。
要点:開始を公式承認する文書はプロジェクト憲章でスポンサが承認する
プロジェクトの開始を公式に承認する文書はプロジェクト憲章である。プロジェクト憲章はプロジェクトマネージャの任命と権限付与を含むため、プロジェクトマネージャではなく、資金を提供しプロジェクトを立ち上げる立場であるプロジェクトスポンサ(または外部の発足者)が承認する。
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
プロジェクトマネジメントにおけるスコープコントロールの活動はどれか。
正解:連携する計画であった外部システムのリリースが延期になったので,この外部システムとの連携に関わる作業は別プロジェクトで実施することにした。
要点:スコープコントロールは作業範囲そのものの変更を管理する活動
スコープコントロールは、プロジェクトのスコープの状況を監視し、スコープベースラインへの変更を管理する活動である。外部システムとの連携作業を本プロジェクトから外して別プロジェクトに移す判断は、成果物と作業の範囲そのものを変更する行為なので、スコープコントロールに当たる。
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
プロジェクトマネジメントで使用する責任分担表(RAM)の一つである,RACIチャートで示す4種類の役割及び責任の組合せのうち,適切なものはどれか。
正解:実行責任,情報提供,説明責任,相談対応
要点:RACIは実行責任・説明責任・相談対応・情報提供の4区分
RACIチャートは責任分担表の一形式で、Responsible(実行責任)、Accountable(説明責任)、Consulted(相談対応)、Informed(情報提供)の頭文字をとったものである。一つのアクティビティに対してAccountableは原則1人だけ置き、責任の所在を明確にする。リスク管理はRACIの構成要素には含まれない。
出典:平成28年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
プロジェクトの進捗管理をEVM(Earned Value Management)で行っている。コストが超過せず,納期にも遅れないと予測されるプロジェクトの状況を…
正解:現在時点で,アーンドバリュー(EV・太線)が最も上,その下にプランドバリュー(PV・細線),実コスト(AC・点線)が最も下という順に並ぶグラフ(EV>PV>AC)。
要点:EV≧PVなら進捗良好、EV≧ACならコスト良好と判断する
EVMではEV(出来高)がPV(計画値)以上ならスケジュールは遅れておらず、EVがAC(実コスト)以上ならコストは超過していない。したがってEV>PVかつEV>ACとなる状態、すなわちEVが最も上でACが最も下という関係のグラフが、納期にもコストにも問題がない状況を表す。
出典・参考
公式シラバスの4プロジェクトの管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。