JIS Q 21500とは?じすきゅーにまんいっせんごひゃく
JIS Q 21500とは、プロジェクトマネジメントの用語・概念・プロセスを定めた国際規格ISO 21500を、日本産業規格として制定したもの。各プロセスを二軸で位置づけるのが特徴で、一方は実施の目的で括った5つのプロセス群(立ち上げ・計画・実行・管理・終結)、もう一方は管理対象で括った10の対象群(統合、ステークホルダ、スコープ、資源、時間、コスト、リスク、品質、調達、コミュニケーション)。どのプロセスが二軸のどこに入るかが直接問われる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
発注者と受注者、あるいは国や業界をまたいで組む体制では、「計画を作る」「進捗を管理する」が指す中身が会社ごとに違い、契約や監査の場で話が噛み合わなかった。特定の団体の方法論を強制するのではなく、用語と枠組みだけを中立に決めて共通語をつくったのがこの規格である。PM試験は出題範囲の記述にこの規格の用語を使うため、社内用語ではなく規格の言葉で覚え直すことが得点に直結する。
具体例
「リスクの特定」「リスクの評価」は計画のプロセス群かつ対象群「リスク」、「リスクへの対応」は実行のプロセス群かつ同じ対象群、という二次元の位置づけになる。ISOが枠組みを定め、IPAが試験要綱でこの用語体系を採用している。
試験での引っ掛け
PMBOKガイドの「監視・コントロール」に当たるものが、この規格では「管理」プロセス群。名称の対応と、プロセス群と対象群の取り違えが定番。国際規格側は改訂で実務の手引がISO 21502へ分かれたが、試験で問われるのは5プロセス群・10対象群の枠組み。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
ISO 21500:2012(プロジェクトマネジメントの手引き(英和対訳版))によれば、プロジェクトマネジメントのプロセスグループには、立上げ、計画、実行、コン…
正解:実行,コントロール
要点:変更要求は実行とコントロールの二つのプロセスグループを往復する
変更要求は、実行プロセスグループの作業中に問題や逸脱が見つかったときに申請され、コントロールプロセスグループの統合変更管理で審査・承認される。承認された変更は再び実行プロセスグループへ戻って作業に反映されるため、この二つのプロセスグループが変更要求を介して相互に作用する。
出典:平成30年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
ISO 21500:2012(プロジェクトマネジメントの手引き(英和対訳版))によれば、資源サブジェクトグループのプロセスの目的のうち、資源のコントロールプロセ…
正解:プロジェクト作業の実施に必要な資源を確保し、プロジェクト要求事項を満たせるように資源を配分する。
要点:資源のコントロールは資源の確保と配分調整で計画との差を埋める
資源のコントロールは、計画どおりに資源が使われているかを監視し、必要な資源を確保して、要求事項を満たせるように配分を調整するプロセスである。資源の見積りや調達、チームの育成とは別に、実行中の資源の過不足を是正する点が特徴である。
出典:平成31年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
あるプロジェクトのステークホルダとして、プロジェクトスポンサ、プロジェクトマネージャ、プロジェクトマネジメントオフィス及びプロジェクトマネジメントチームが存在す…
正解:プロジェクトマネジメントオフィス
要点:PMOは組織横断で標準化・教育・計画支援・監視を担う
JIS Q 21500におけるプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、個別プロジェクトを直接指揮するのではなく、組織横断的な支援を担う組織体である。標準的な手法や様式の整備、要員への教育訓練、計画策定の支援、複数プロジェクトの監視・報告などがその典型的な役割にあたる。個々のプロジェクトの日々の指揮はプロジェクトマネージャ、経営的な承認や資源提供はプロジェクトスポンサの役割であり、区別して覚える。
出典:平成31年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば、対象群“リスク”の活動内容のうち、プロセス“リスクへの対応”で実施するものはどれか。
正解:プロジェクトの目標への脅威を軽減するために、プロジェクトの予算及びスケジュールに資源と活動を投入することによって、リスクを扱う。
要点:リスクへの対応は資源と活動を投入して脅威を扱う段階
JIS Q 21500の対象群リスクは、リスクの特定、リスクの評価、リスクへの対応、リスクの管理という流れで構成される。このうちリスクへの対応は、特定・評価済みのリスクに対して回避や軽減などの方策を選び、必要な資源と活動を予算やスケジュールに組み込んで実行する段階である。対応の効果を監視して見直すのは、後続のリスクの管理にあたる。
出典:令和2年度 10月試験 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば、プロジェクトマネジメントのプロセス群には、立ち上げ、計画、実行、管理及び終結の五つが…
正解:実行,管理
要点:変更要求は実行プロセス群と管理プロセス群を結び付ける
JIS Q 21500では、実行中に発生した問題や新たな要望が変更要求として提出され、管理プロセス群でその是非が判断される。承認された変更は再び実行プロセス群に戻されて反映されるため、変更要求は実行と管理の間を行き来する形で両者を結び付ける。立ち上げや終結との間で直接やり取りされるものではない。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの5 プロジェクトマネジメント > 1. プロジェクトマネジメント > (1) プロジェクト,及びプロジェクトマネジメントの目的と考え方に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。