損益通算とは?そんえきつうさん
損益通算とは、ある所得で生じた赤字を、他の所得の黒字から差し引くこと。対象になるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つだけで、頭文字をとって「不事山譲(ふ・じ・さん・じょう)」と覚える。税負担を実態に合わせるための仕組み。
FP3級を最短で暗記・合格する →損益通算の具体例は?
会社員が副業で始めた不動産賃貸で、初年度に減価償却費がかさんで50万円の赤字になった場合。給与所得400万円から50万円を引いて350万円で税額を計算するため、年末調整で払いすぎた税金が確定申告で戻ってくる。
損益通算は試験でどう引っ掛けられる?
給与所得・一時所得・雑所得・利子所得・配当所得の赤字は通算できない。特に「雑所得の副業赤字を給与と通算できる」と思い込む誤りが多い。配当所得は赤字自体が生じない。
損益通算と関連する用語は?
損益通算が出た過去問は?
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和6年度 3級FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング)試験 問19(IPA)
所得税において、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、一定のものを除き、他の所得金額と損益通算することができる。
正解:正しい(〇)
要点:損益通算できるのは不事山譲の4つだけ
正しい記述です。赤字を他の黒字と相殺できる(損益通算できる)のは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つだけで、頭文字から「不事山譲(ふじさんじょう)」と覚えます。たとえば始めたばかりの不動産賃貸が赤字なら、給与の黒字と相殺して税金が戻ることがあります。ただし問題文にある「一定のもの」は例外で、土地取得のための借入金の利子、別荘やゴルフ会員権など生活に必要でない資産の譲渡損、株式の譲渡損などは通算できません。
出典:令和6年度 3級FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング)試験 問46(IPA)解説で登場
所得税において、国債や地方債などの特定公社債の利子は、原則として、( ① )課税の対象となるが、確定申告不要制度を選択すること( ② )。
正解:① 申告分離 ② ができる
要点:特定公社債の利子は申告分離+申告不要も可
国債や地方債などの特定公社債の利子は、20.315%が源泉徴収されたうえで申告分離課税の対象になります。ポイントは「申告してもよいし、しなくてもよい」こと。確定申告不要制度を選べば源泉徴収だけで完結し、申告すれば上場株式などの譲渡損失と損益通算できます。損が出た年だけ申告する、という使い分けが可能です。かつては申告できない源泉分離課税でしたが、2016年から現在の扱いに変わりました。
出典:令和7年度 3級FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング)試験 問19(IPA)
所得税において、賃貸アパートの土地および建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の所得金額と損益通算することができない。
正解:正しい(〇)
要点:土地建物の譲渡損失は他の所得と損益通算できない
正解は〇。土地・建物などの不動産を売って生じた譲渡損失は、原則として給与所得や事業所得など他の所得と損益通算できません。損益通算できるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つですが、土地建物等の譲渡損失は例外として除かれています。ただしマイホーム(居住用財産)を売った場合は、一定の要件で損益通算と繰越控除ができる特例があります。賃貸アパートは対象外です。
出典:令和8年度 3級FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング)試験 問19(IPA)
所得税において、青色申告書を提出した年分に生じた純損失の金額(損益通算してもなお控除しきれない損失の金額)は、その損失が生じた年分の翌年以降、最長で10年間繰り…
正解:誤り(×)
要点:純損失の繰越控除は翌年以降3年間
×。青色申告者の純損失の繰越控除ができるのは、翌年以降最長3年間です。10年ではありません(10年は法人税で欠損金を繰り越せる期間で、そちらと混同させる出題です)。青色申告をしていると、赤字の年の損失を翌年以降3年間の黒字と相殺でき、その分だけ税金が軽くなります。青色申告の主な特典は、この純損失の繰越控除、青色申告特別控除(最高65万円)、家族に払う給与を必要経費にできる青色事業専従者給与の3つです。
出典:令和7年度 3級FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング)試験 問15(IPA)
会社員の中岡さんの当年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、中岡さんが当年分の所得税の確定申告をする際に、給与所得と損益通算できる損失の金額として、正しい…
正解:▲80万円
要点:通算は不動産・事業・山林・譲渡。土地の利子は除く
損益通算できるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つの損失だけです。まず雑所得▲30万円(仮想通貨の売却損)は対象外なので通算できません。次に不動産所得の損失▲100万円は対象ですが、必要経費のうち土地を取得するための借入金の利子20万円に対応する部分は損益通算の対象から除かれます。したがって▲100万円+20万円=▲80万円だけが給与所得と通算でき、1が正解です。「土地の借入金利子は除く」が本問最大のポイントです。
出典・参考
最終更新:2026-08-30/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。