耐量子計算機暗号とは?たいりょうしけいさんきあんごう
耐量子計算機暗号とは、量子計算機が実用化されても解読が困難と考えられる数学問題(格子、符号理論、多変数多項式、ハッシュ)を安全性のよりどころにする公開鍵暗号方式。専用の装置や光ファイバを必要とせず、いまのコンピュータとネットワークの上でそのまま動かせる点が量子鍵配送(QKD)と大きく違う。
最終更新:2026-10-06
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現在広く使われるRSAや楕円曲線暗号は素因数分解と離散対数の難しさに依存しており、Shorのアルゴリズムを動かせる規模の量子計算機ができれば根拠が崩れる。しかも暗号文を今のうちに保存しておいて後で解読する攻撃があるため、装置の完成を待ってから移行しても長期に秘匿すべき情報には間に合わない。移行計画が先に要るのはこのためである。
具体例
NISTは2024年にML-KEM(鍵カプセル化)とML-DSA(署名)を標準として公表し、ブラウザやVPN製品への実装が進んでいる。移行期は従来方式と新方式を併用するハイブリッド構成をとり、どちらか一方に問題が見つかっても即座に危険にならない形にするのが一般的。
試験での引っ掛け
影響を強く受けるのは公開鍵暗号で、共通鍵暗号やハッシュはGroverのアルゴリズムによって実効強度が半分程度になるにとどまり、鍵長やハッシュ長を伸ばせば対処できる。「すべての暗号が使えなくなる」は誤り。
関連用語
出た過去問
出典:令和3年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
PQC(Post-Quantum Cryptography)はどれか。
正解:量子コンピュータを用いた攻撃に対しても、安全性を保つことができる暗号方式
要点:PQCは量子計算機による解読にも耐える暗号方式
PQCは耐量子計算機暗号とも呼ばれ、量子コンピュータ上で動くショアのアルゴリズムなどによる解読に耐えられると考えられている暗号方式の総称である。素因数分解や離散対数の困難さに依存するRSAや楕円曲線暗号は量子計算に弱いため、格子、符号、多変数多項式、ハッシュベースなど別の数学的困難性に基づく方式が標準化されている。従来の計算機上で動作する点が量子鍵配送との違いである。
出典:令和6年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
PQC(Post-Quantum Cryptography)はどれか。
正解:量子コンピュータを用いても解読が困難であり,安全性を保つことができる暗号方式
要点:PQCは量子計算機でも解読困難な数学的問題に基づく暗号方式
PQC(耐量子計算機暗号)は、量子コンピュータで効率的に解けるとされる素因数分解や離散対数問題(べき乗の指数を求める難しい問題)に依存せず、格子問題(多次元の格子点に関する難問)や符号理論などに基づくことで、量子コンピュータでも解読が困難とされる暗号方式である。よってウが正しい。現在のコンピュータ上で動作する点が、量子力学的な性質そのものを使う量子鍵配送との大きな違いである。
出典:令和7年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
PQC(Post-Quantum Cryptography)はどれか。
正解:量子コンピュータを使った攻撃に対しても従来のコンピュータを使って安全性を確保できる暗号技術
要点:PQCは量子計算機の攻撃にも耐える従来機で使える暗号
PQCは、大規模な量子コンピュータが実用化されても、従来の計算機で運用しながら安全性を保てるように設計された暗号技術である。素因数分解や離散対数(べき乗の指数を求める難しい問題)はショアのアルゴリズムで効率的に解かれるため、格子(規則的に並ぶ多次元の点の集まり)や符号、多変数多項式、ハッシュに基づく別の困難性を安全性の根拠とする。NISTによる標準化が進み、鍵交換やデジタル署名の方式が選定されている。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (8) 情報セキュリティに関する技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。