マルチキャストとは?まるちきゃすと
マルチキャストとは、同じデータを受け取りたい受信者をグループにまとめ、送信元が1つのパケットを送るだけで網の分岐点で複製して届ける通信形態。IPv4では先頭4ビットが1110、すなわち224.0.0.0〜239.255.255.255(旧クラスD)を宛先に使い、残り28ビットがグループIDになる。受信側はIGMPで参加を通知し、ルータ間はPIMなどのマルチキャストルーティングで配送木を作る。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
同じ映像を100人に配るのに、ユニキャストでは送信元が同じデータを100本送り出すことになり、送信元と上流のリンクだけが人数に比例して太る必要が出る。ブロードキャストで配れば送信は1本で済むが、要らない端末にも届き、ルータを越えられない。マルチキャストは「要る人にだけ、分岐点まで1本で」という中間の配り方として設けられた。回線設計でトラフィック量を見積もる問題や、L2スイッチでの氾濫を抑えるIGMPスヌーピングの是非として問われる。
具体例
国内では、IPv6マルチキャストを使うNTT東日本・西日本のフレッツ網でのIPTV配信が代表例で、加入者が増えても局側から出るストリームは1本で済む。社内でも全社朝礼のライブ配信を同じ考え方で流せる。
試験での引っ掛け
旧クラスDのアドレスにはネットワーク部・ホスト部の区別が無いので、サブネットマスクを当てはめて考えない。224.0.0.0/24はリンクローカル制御用(OSPFの224.0.0.5・224.0.0.6など)でルータを越えて転送されない。またIGMPは受信側とルータの間で参加を管理するもので、ルータ同士の配送木を作るPIMとは役割が違う。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
クラスDのIPアドレスを使用するのはどの場合か。
正解:マルチキャストアドレスを割り振る。
要点:クラスD(224〜239)はマルチキャスト用アドレス
IPv4アドレスのクラスDは先頭4ビットが1110、すなわち224.0.0.0〜239.255.255.255の範囲で、マルチキャストアドレスとして使われる。ホストへの個別割当てには使わず、特定のグループ宛て配信の宛先として利用する。ユニキャストの割当てに使うのはクラスA〜Cである。
出典:平成30年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
IPv4ネットワークのマルチキャスト通信で、ローカルセグメントにおいて、配信を受けるホストのグループを管理するために用いられるプロトコルはどれか。
正解:IGMP
要点:IGMPはセグメント内のマルチキャスト参加を管理する
IGMPは、ホストが自分の参加したいマルチキャストグループを、同じセグメント上のマルチキャストルータへ通知するためのプロトコルである。ルータは参加報告を受け取ったポートにだけマルチキャストを流し、定期的な問合せで参加状況を確認して離脱も検出する。
出典:平成30年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(IPA)
IPv4のマルチキャストに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:マルチキャストアドレスには、クラスDのアドレスが使用される。
要点:IPv4マルチキャストはクラスD(224〜239)を使う
IPv4のマルチキャストアドレスには、先頭4ビットが1110のクラスD、すなわち224.0.0.0〜239.255.255.255が使われる。この範囲の中には用途が決まっているものもあるが、大部分は任意のグループに割り当てて利用できる。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(IPA)
マルチキャストグループへの参加や離脱をホストが通知したり、マルチキャストグループに参加しているホストの有無をルータがチェックしたりするときに使用するプロトコルは…
正解:IGMP
要点:マルチキャストグループの参加・離脱管理はIGMPが担う
IGMP(Internet Group Management Protocol)は、ホストが自分の参加したいマルチキャストグループをルータへ通知し、またルータがそのグループの受信者が残っているかを問い合わせるためのプロトコルである。IPv4のマルチキャストで使われ、ルータはこの情報を基に不要なマルチキャストの転送を止める。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(IPA)
IPv4のマルチキャストに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:マルチキャストアドレスには、クラスDのアドレスが使用される。
要点:IPv4マルチキャストはクラスD(224〜239)のアドレスを使う
IPv4のマルチキャストアドレスにはクラスDに当たる224.0.0.0〜239.255.255.255が使われる。このうち224.0.0.0/24などは用途が定められた予約領域だが、239.0.0.0/8はサイトローカルとして自由に使えるなど、全アドレスの用途が固定されているわけではない。また転送範囲はTTLでも制限される。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの3 技術要素 > 3. 通信プロトコル > (1) プロトコルとインタフェースに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。