ARPとは?あーぷ
ARPとは、同一データリンク上で、IPv4アドレスに対応するMACアドレスを求めるプロトコル。宛先MACをブロードキャストにしたARP要求を出し、そのIPアドレスを持つホストだけがユニキャストでARP応答を返す。得られた対応は一定時間ARPキャッシュに保持され、期限が切れると再び解決し直す。IPv6にARPは無く、ICMPv6の近隣探索が同じ役割を担う。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
IPはネットワークをまたいで届けるためのアドレスを持つが、実際にフレームを流すイーサネットが見るのはMACアドレスだけである。運用側が自由に付け替えるIPと、機器に焼かれたMACの間には固定の対応が無いため、送信の直前にその場で対応を問い合わせる仕組みが要る。ARPはこの層のつなぎ目を埋めるもので、同一リンクの中でしか使えない代わりに設定を一切必要としない。切り分けではARPキャッシュが正しいかを見るところから入るため、動作の順番ごと問われる。
具体例
PCが別セグメントのサーバへパケットを送るときは、サーバではなくデフォルトゲートウェイのMACアドレスをARPで解決する。冗長化でVRRPを使っている場合は、切替え時に新しいマスタが自分のMACを周知するためにGARP(Gratuitous ARP)を送出する。
試験での引っ掛け
別セグメントあての通信で宛先ホストのMACを直接ARPで求めることはなく、解決するのは次のホップのMACである。ARP要求はブロードキャストなので同じブロードキャストドメイン内に留まり、ルータを越えない。またARPには送信元を確かめる仕組みが無いため、偽の応答でキャッシュを書き換えるARPスプーフィングが成立する。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
IPv4でのARPを利用したGratuitous ARPの説明として、適切なものはどれか。
正解:ターゲットIPアドレスフィールドに自端末が使用するIPアドレスを入れて、MACアドレスを問い合わせる。
要点:GARPは自分のIPアドレスを対象に送るARP要求
Gratuitous ARPは、ターゲットIPアドレスに自分自身のIPアドレスを入れて送信するARP要求である。応答が返ればIPアドレスの重複を検出でき、また受信した機器のARPテーブルを更新させられる。冗長構成の切替時に、新たな機器のMACアドレスを周囲へ知らせる用途でも使われる。
出典:平成30年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
図のような2台のレイヤ2スイッチ、1台のルータ、4台の端末から成るIPネットワークで、端末Aから端末Cに通信を行う際に、送付されるパケットの宛先IPアドレスであ…
正解:ルータZ
要点:別セグメント宛のARPはルータが行う
端末Aと端末Cは別のセグメントにあるため、端末AはIPパケットの宛先を端末CのIPアドレスとしつつ、フレームの宛先MACアドレスにはデフォルトゲートウェイであるルータZのものを入れる。ルータZは自分が接続する側のセグメントでARPを行い、端末CのIPアドレスに対応するMACアドレスを解決してフレームを送出する。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)解説で登場
VLAN機能をもった1台のレイヤ3スイッチに40台のPCを接続している。スイッチのポートをグループ化して複数のセグメントに分けたとき、スイッチのポートをセグメン…
正解:スイッチが、PCからのブロードキャストパケットの到達範囲を制限するので、アドレス情報の不要な流出のリスクを低減できる。
要点:VLANはブロードキャストの到達範囲を分割して情報流出を抑える
VLANでポートをグループ分けすると、各VLANが別々のブロードキャストドメインになる。ARP要求などのブロードキャストは同じVLAN内にしか届かなくなるため、他のセグメントの端末に自分のアドレス情報が伝わらず、盗聴によるネットワーク構成の把握を難しくできる。VLAN間の通信はレイヤ3での中継が必要になる点も効果につながる。
出典:令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
PCなどがIPv6で通信を開始する際、IPv6アドレスに対応するMACアドレスを解決するために使用するプロトコルはどれか。
正解:ICMPv6
要点:IPv6のアドレス解決はICMPv6の近隣探索が担う
IPv6ではARPが廃止され、その役割はICMPv6の近隣探索(Neighbor Discovery)が担う。相手のIPv6アドレスから求められた要請ノードマルチキャストアドレス(IPv6アドレスの末尾から作る問合せ先)宛に近隣要請(Neighbor Solicitation)を送り、相手が近隣通知(Neighbor Advertisement)でリンク層アドレスを返す。アドレス自動設定や重複アドレス検出も同じICMPv6の枠組みで行われる。
出典:令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
IPv4におけるARPのMACアドレス解決機能をIPv6で実現するプロトコルはどれか。
正解:ICMPv6
要点:IPv6のARP相当の機能はICMPv6の近隣探索が担う
IPv6ではARPが廃止され、その役割はICMPv6の近隣探索(Neighbor Discovery)が担う。近隣要請(Neighbor Solicitation)をマルチキャストで送り、対象ノードが近隣通知(Neighbor Advertisement)で自分のリンク層アドレスを返す。ルータ探索やアドレスの重複検出も同じ枠組みで実現されている。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。