VLANとは?ぶいらん
VLANとは、1台の物理スイッチを論理的に複数のブロードキャストドメインへ分割する技術。ポート単位で所属を決めるポートベースVLANのほか、MACアドレスや認証結果で動的に割り当てる方式がある。複数のスイッチにまたがって同じVLANを延ばすときは、IEEE 802.1QのタグをフレームのVLAN IDとして付けてトランクポートで運ぶ。VLAN同士の通信にはL3スイッチかルータによるルーティングが必要になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
部署ごとにネットワークを分けたいだけなのに、物理的にスイッチを買い足して配線し直すのでは、席替えや組織変更のたびに工事が発生する。VLANは所属を配線ではなく設定で決められるようにして、物理構成と論理構成を切り離した。同時に、ブロードキャストの届く範囲を絞ってトラフィックを抑える効果もある。サーバ仮想化やゲスト回線の設計で必ず出てくるため、タグの流れと境界の置き方が問われる。
具体例
同じフロアに席が混在する総務部と開発部を別VLANに分け、部門間の通信はL3スイッチのアクセスリストで必要な分だけ許可する。IEEE 802.1Xの認証結果に応じて、社用PCは業務VLAN、持込み端末はゲストVLANへ動的に割り当てる構成もよく採られる。
試験での引っ掛け
VLANが分けるのはブロードキャストの到達範囲であって、通信内容を暗号化するものではなく、同一VLAN内の盗聴は防げない。またトランクポートではタグ付きフレームが流れるが、ネイティブVLANだけはタグが付かず、両端の設定が食い違うと通信が別のVLANへ流れ込む。タグ長の分だけフレームが4オクテット伸びる点も見落としやすい。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
IEEE 802.1Qで規定されたVLANのVID(VLAN Identifier)のビット長はどれか。
正解:12
要点:802.1QのVIDは12ビット、使えるVLANは4094個
IEEE802.1Qのタグは4バイトで、そのうちVLAN識別子(VID)は12ビットである。表現できる値は0〜4095だが、0と4095は予約されているため、実際に使えるVLAN番号は1〜4094の4094個となる。残りは優先度を示す3ビットなどに割り当てられている。
出典:令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
VLAN機能をもった1台のレイヤ3スイッチに40台のPCを接続している。スイッチのポートをグループ化して複数のセグメントに分けたとき、スイッチのポートをセグメン…
正解:スイッチが、PCからのブロードキャストパケットの到達範囲を制限するので、アドレス情報の不要な流出のリスクを低減できる。
要点:VLANはブロードキャストの到達範囲を分割して情報流出を抑える
VLANでポートをグループ分けすると、各VLANが別々のブロードキャストドメインになる。ARP要求などのブロードキャストは同じVLAN内にしか届かなくなるため、他のセグメントの端末に自分のアドレス情報が伝わらず、盗聴によるネットワーク構成の把握を難しくできる。VLAN間の通信はレイヤ3での中継が必要になる点も効果につながる。
出典:令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(IPA)
複数のVLANを一つにまとめた単位でスパニングツリーを実現するプロトコルはどれか。
正解:MSTP
要点:MSTPは複数VLANをまとめた単位でツリーを作る
MSTP(Multiple Spanning Tree Protocol、IEEE 802.1s)は、複数のVLANをインスタンスと呼ぶまとまりに割り当て、そのインスタンス単位でスパニングツリーを構成するプロトコルである。VLANごとに個別のツリーを作る方式に比べて計算量と制御トラフィックを抑えつつ、インスタンスごとに異なる経路を使えるので負荷分散もできる。
出典:令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(IPA)
IPネットワークにおいてIEEE 802.1Qで使用されるVLANタグは図のイーサネットフレームのどの位置に挿入されるか。
正解:②
要点:802.1Qタグは送信元MACアドレスの直後に4オクテット挿入される
IEEE 802.1QのVLANタグは4オクテットで、送信元MACアドレスの直後、すなわち本来タイプ/長さフィールドがあった位置に挿入される。先頭2オクテットにはタグ付きであることを示すTPID(0x8100)が入り、続く2オクテットのTCIにVLAN IDと優先度が格納される。元のタイプ/長さフィールドはタグの後ろへずれる。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの3 技術要素 > 3. 通信プロトコル > (1) プロトコルとインタフェースに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。