トレーサビリティとは?とれーさびりてぃ
トレーサビリティとは、ある製品や部品について、製造した日時・場所・担当と、その後どの経路で流れたかを後から突き止められる状態を作っておくこと。生産側から消費者側へ順にたどるのがトレースフォワード、手元の品物から生産側へ遡るのがトレースバックで、この双方向がそろって初めて、不具合の際に回収範囲を絞りつつ原因へ短時間で到達できる。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
同じ製品でも、原料の産地や製造した時間帯が違えば問題の有無は変わる。しかし記録が途切れていれば「どれが該当するか分からない」という理由で無関係な分まで回収するしかなくなり、費用も信用の損失も跳ね上がる。追える状態を平時に作っておくこと自体が、事故が起きたときの被害の大きさを決める。食品や医薬品、自動車では法令や業界規則でも求められる。
具体例
食品ではロット番号と生産履歴を紐づけ、異物混入の疑いが出たときに該当ロットだけを回収する。自動車では部品のシリアル番号と組付け記録を残し、リコールの対象を車台番号の単位まで絞り込む。近年はブロックチェーンを使い、産地から店頭までの記録を改ざんしにくい形で共有する取り組みも進んでいる。
試験での引っ掛け
記録を取っていることと追跡できることは別で、ロットの単位が粗ければ結局は広い範囲を回収することになる。またソフトウェア開発の分野で言うトレーサビリティは、要件とテストケースの対応(トレーサビリティマトリクス)を指し、こちらの生産流通の追跡とは別の概念である。どちらの文脈かを先に見分ける。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和5年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問24(IPA)
システム要件定義プロセスにおいて、トレーサビリティが確保されていることを説明した記述として、適切なものはどれか。
正解:利害関係者の要求の根拠と成果物の相互関係が文書化されており、開発の途中で生じる仕様変更をシステムに求められる品質に立ち返って検証できる。
要点:トレーサビリティは要求と成果物の対応を双方向にたどれること
トレーサビリティとは、利害関係者の要求がどの成果物のどこに反映されているかを相互にたどれる状態をいう。要求の根拠と成果物の対応関係が文書化されていれば、仕様変更が生じたときにも元の要求や品質目標に立ち返って影響を検証できる。
出典:令和7年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問28(IPA)解説で登場
生産事業所のシステムを、生産計画などの計画層、各指示や工程管理・製造管理などの実行層、機械・機器の制御を行う制御層の三つの層に大きく分けたとき、MESが運用され…
正解:実行層
要点:MESは計画層と制御層の間の実行層を担う
MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)は、計画層のERPや生産計画と、制御層のPLC(機械を順序どおり動かす制御装置)・機械制御との間に位置し、作業指示、工程・製造の進捗管理、実績収集、品質・トレーサビリティ管理などを担う。すなわち実行層で運用される。
出典・参考
公式シラバスの4 開発技術 > 1. システム要件定義・ソフトウェア要件定義 > (6) ソフトウェアの境界及び要件の定義に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。