SMTPとは?えすえむてぃーぴー
SMTPは電子メールを送信・転送するためのプロトコルで、MTA間の中継は既定でTCP25番ポートを使う。EHLO、MAIL FROM、RCPT TO、DATAの順にコマンドをやり取りし、宛先ドメインのMXレコードを引いてバケツリレー式に中継する。認証も暗号化も元の仕様には含まれず、SMTP-AUTHやSTARTTLSとしてすべて拡張で後付けされた点が出題の勘どころ。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
SMTPは、繋がっている組織どうしが互いを信頼している前提のネットワークで設計された。送信者を確かめる仕組みが無く、頼まれれば誰の宛先でも中継したため、迷惑メールと差出人詐称が広がると仕様そのものは変えられないまま外側で塞ぐしかなくなった。SMTP-AUTH、OP25B、SPF/DKIM/DMARCがいずれも後付けなのはこの経緯による。支援士の記述式では、メール系の事故は原因も対策もこの「後付けの層のどれが欠けていたか」で説明する。
具体例
応答は2xxが成功、4xxが一時エラーで再送対象、5xxが恒久エラーである。存在しない宛先へ即座に550を返す設定にしていると、応答の違いから有効なアドレスだけを外部に選り分けられる。宛先の有無で応答を変えず、一定時間後にまとめて処理する設計にすると、この推測を封じられる。
試験での引っ掛け
MAIL FROMで渡すのはエンベロープFromで、利用者が画面で目にするヘッダFromとは別物。SPFが検証するのは前者だけなので、両者を同一視すると「SPFには通っているのに差出人が偽物」という事象を説明できなくなる。また25番はMTA間の中継用で、利用者の端末からの投稿は587番(サブミッション)が本来の役割という切り分けも問われる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問16(IPA)
SMTP-AUTHの特徴はどれか。
正解:メールクライアントからメールサーバへの電子メール送信時に,ユーザアカウントとパスワードによる利用者認証を行う。
要点:SMTP-AUTHは送信時に利用者認証を行う拡張
SMTP-AUTHは、メール送信時にクライアントがメールサーバに対しユーザIDとパスワードで認証を行う拡張です。認証された利用者だけに中継を許すことで、第三者による不正中継や迷惑メールの送信を防ぎます。
出典:平成28年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問13(IPA)解説で登場
スパムメールの対策として,宛先ポート番号25の通信に対してISPが実施するOP25Bの説明はどれか。
正解:動的IPアドレスを割り当てたネットワークからISP管理外のネットワークへの直接の通信を遮断する。
要点:OP25Bは動的IPからの25番直接送信を遮断する
OP25Bは、ISPが動的IPアドレスを割り当てた利用者から、自社以外のメールサーバへの25番ポートによる直接接続を遮断する仕組みです。ボットに感染したPCが直接迷惑メールを送信することを抑止でき、正規の送信はサブミッションポートとSMTP-AUTHで行います。
出典:平成28年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問17(IPA)
出典:平成28年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問20(IPA)
TCPのサブミッションポート(ポート番号587)の説明として,適切なものはどれか。
正解:電子メールサービスで,迷惑メール対策としてSMTPのポート番号25の代わりに使用する。
要点:587番は認証付きでメールを投函する専用ポート
サブミッションポート587番は、メールクライアントがメール送信を投函するための専用ポートです。OP25Bで25番の直接送信が遮断される環境でも、SMTP-AUTHによる認証を伴って587番で送信できるため、迷惑メール対策と正規利用の両立に用いられます。
出典:平成29年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問15(IPA)解説で登場
スパムメールの対策として,宛先ポート番号25の通信に対してISPが実施するOP25Bの例はどれか。
正解:動的IPアドレスを割り当てたネットワークからISP管理外のネットワークへの直接の通信を遮断する。
要点:OP25Bは動的IP網から外部25番への直接送信を遮断
OP25B(Outbound Port 25 Blocking)は、ISPが自網内の動的IPアドレス利用者から外部のメールサーバへの宛先ポート25の直接通信を遮断する対策である。ボット等に感染したPCがISPのメールサーバを経由せずに迷惑メールを直接送信することを防ぐ。正規の利用者はサブミッションポート587とSMTP認証を使って送信する。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 5. ネットワーク応用 > (1) インターネットに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。