UMLとは?ゆーえむえる
UMLとは、オブジェクト指向の分析・設計で使う図の表記をOMGが標準化した体系。構造を表す図(クラス図、オブジェクト図、コンポーネント図、配置図)と、振る舞いを表す図(ユースケース図、シーケンス図、アクティビティ図、ステートマシン図、コミュニケーション図)に大別される。設計書のどの記述をどの図で確定させるかが、後工程への引継ぎ品質をそのまま決める。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
統一される前は、Booch法・OMT・OOSEなど手法ごとに記法が違い、同じ四角と線が別の意味を持っていた。受託開発では発注側と受注側で図の読み方が食い違い、レビューで合意したはずの内容が実装段階で崩れる。記法を1つに束ねることで、設計意図を組織や会社をまたいで運べるようにしたのがUMLである。設計判断を文章と図で説明する論述式の答案でも、この共通語彙がそのまま使える。
具体例
1997年にOMG(Object Management Group)が標準として採択し、以後2.xで図の種類を整理してきた。作図ツールはチェンジビジョンのastah*、Sparx SystemsのEnterprise Architect、テキストから図を生成するPlantUMLが実務で広く使われ、後者は設計書をGitで差分管理したい現場で選ばれる。
試験での引っ掛け
「何を表したいか」から図を選ばせる設問が頻出する。時間的順序ならシーケンス図、状態の遷移ならステートマシン図、分岐と並行ならアクティビティ図。配置図(ノード=実行環境)とコンポーネント図(実装単位の依存)の取り違えも多い。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
図は"顧客が商品を注文する"を表現したUMLのクラス図である。"顧客が複数の商品をまとめて注文する"を表現したクラス図はどれか。ここで、注文明細は注文に含まれる…
正解:顧客1―0..*注文。注文の側に黒ひし形(多重度1)を置き、注文明細(多重度1..*)をコンポジションで束ねる。注文明細0..*―1商品。
要点:一括注文は注文が明細1..*を束ねる構造で表す
複数商品をまとめて注文する構造は、注文が複数の注文明細を束ね、各注文明細が一つの商品に対応する形で表現する。したがって注文と注文明細はコンポジション(注文が全体、注文明細が部分)で、注文側の多重度が1、注文明細側が1..*になる。顧客と注文は1対0..*、注文明細と商品は0..*対1が正しい。この関係を全て満たすのはアである。
出典:平成29年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)解説で登場
複数のシステムの組合せによって実現するSoS(System of Systems)をモデル化するのに適した表記法であるSysMLの特徴はどれか。
正解:パラメトリック図によって、モデル要素間の制約条件が記述できる。
要点:SysML固有のパラメトリック図は要素間の制約を表す
SysMLはUMLをシステムズエンジニアリング向けに拡張した表記法で、要求図やパラメトリック図など独自の図を持つ。パラメトリック図は、ブロックの値プロパティ同士を制約ブロックで結び付け、性能や物理量に関する数式的な制約条件を表現できる図であり、複数システムを組み合わせるSoSのモデル化で有効に働く。
出典:平成29年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問7(IPA)解説で登場
イベント駆動型のアプリケーションにおけるイベント処理のタイミングを設計するのに有用なものはどれか。
正解:シーケンス図
要点:イベントの時間的順序の設計にはシーケンス図が有用
シーケンス図はUMLの相互作用図で、オブジェクト間のメッセージのやり取りを時間軸に沿って上から下へ並べて表現する。どのイベントがどの順序でいつ処理されるかという時間的なタイミングを明示できるため、イベント駆動型アプリケーションの処理順序の設計に適している。
出典:平成29年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問21(IPA)
UMLを用いて表した図のデータモデルを基にして設計したテーブルのうち、適切なものはどれか。ここで、"担当委員会ID"と"所属委員会ID"は"委員会ID"を参照す…
正解:委員会(委員会ID[実線], 委員会名)、所属関連(所属委員会ID[実線], 委員ID[実線])、生徒(生徒ID[実線], 氏名, 担当委員会ID[破線])
要点:多対多は連関テーブル、1対多は多側に外部キーを置く
「担当する」関連は生徒から見て担当委員会が0..1なので、生徒テーブルに担当委員会IDを外部キーとして持たせれば表現できる。一方「所属する」関連は委員会0..*対生徒1..*の多対多なので、両者のIDを主キーとする連関テーブルが必要になる。この二つの条件を同時に満たす構成はアである。
出典:令和元年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問14(IPA)
UMLの図のうち、業務要件定義において、業務フローを記述する際に使用する、処理の分岐や並行処理、処理の同期などを表現できる図はどれか。
正解:アクティビティ図
要点:業務フローの分岐・並行・同期はアクティビティ図で表す
アクティビティ図はUMLの振る舞い図で、処理の流れを開始から終了まで順に示すほか、分岐(デシジョンノード)、並行処理の開始と合流(フォーク・ジョイン)、担当者ごとのレーン分けを表現できる。業務フローの記述に適しており、業務要件定義で広く使われる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。