ペトリネットとは?ぺとりねっと
ペトリネットとは、プレース(場所)とトランジション(遷移)を有向弧で結び、トークンの移動で状態の変化を表す数学的モデル。並行して動く事象の同期・排他・資源競合を厳密に表現でき、到達可能な状態を数え上げてデッドロックの有無を解析できる。図として描けるだけでなく、性質を数学的に検証できる点が他の表記との違いになる。
最終更新:2026-10-06
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並行処理の不具合は特定のタイミングでしか再現せず、テストで見つけ切ることが原理的に難しい。実行して確かめる方法に頼らず、モデルの上で起こり得る状態をすべて調べる手段が要る。状態と遷移を厳密な意味で定義し、解析可能にしたのがペトリネットである。組込みや制御に近い領域だけでなく、業務プロセスの並行実行やワークフローの検証にも使われる。
具体例
カール・アダム・ペトリが1962年の学位論文で提示した。2つの並行処理が共有資源を使う場面で、資源を表すプレースにトークンを1個だけ置けば、同時実行できないことがモデル上で保証される。ワークフロー基盤の検証には、ペトリネットを理論的な土台に持つYAWLのようなツールがある。
試験での引っ掛け
「並行に動く事象の同期を表現できるモデル」を問われたらペトリネットを選ぶ。DFDや決定表では同期も排他も表せない。ステートマシン図は1つの対象の状態遷移を表すもので、複数の事象が同時に進む状況の表現はできない。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
並列に動作する事象間の同期を表現することが可能な、ソフトウェアの要求モデルはどれか。
正解:ペトリネットモデル
要点:ペトリネットは並行事象の同期を表現できるモデル
ペトリネットは、プレース、トランジション、トークンを用いて状態の遷移を表すモデルで、複数のプレースからトークンが揃って初めてトランジションが発火するという性質により、並行して動く事象どうしの同期や排他を自然に表現できる。E-Rモデルはデータ構造、データフローモデルはデータの流れ、有限状態機械は単一の逐次的な状態遷移を表す。
出典:令和元年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
並列に生起する事象間の同期を表現することが可能な、ソフトウェアの要求モデルはどれか。
正解:ペトリネットモデル
要点:ペトリネットは並行事象の同期を表現できるモデル
ペトリネットは、プレース(状態)とトランジション(事象)、その間を移動するトークンでモデルを表す。一つのトランジションが複数の入力プレースにトークンが揃うまで発火しないという性質により、並行して進む複数の事象の合流や同期を自然に表現できる。デッドロックの検出など解析にも用いられる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。