労働者派遣とは?ろうどうしゃはけん
労働者派遣とは、派遣元事業主が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令の下で働かせる形態。雇用関係は派遣元、指揮命令関係は派遣先にあり、この二分が労働者派遣法の骨格になっている。派遣先が講じる措置(派遣先管理台帳の作成、派遣先責任者の選任、指揮命令する者への派遣契約内容の周知)と、派遣元事業主が講じる措置(教育訓練の機会確保をはじめとする福祉の増進)は、法律上はっきり振り分けられている。
最終更新:2026-10-07
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高度試験の午前Iのストラテジ系では法務から2問前後が出題され、労働者派遣法はその常連である。問われ方は2通りで、1つは講ずべき措置を派遣元と派遣先に振り分けさせるもの、もう1つは要員を受け入れる企業の具体的な行為を示して適法かどうかを判定させるものである。さらに、請負と派遣で開発したプログラムの著作権が誰に原始的に帰属するかという、法務の別論点と組み合わせた出題もある。条文の暗記ではなく、雇用しているのは誰か・指揮命令しているのは誰かに立ち返って答えを導けるかが問われる。
具体例
大規模なシステム開発を受注したNTTデータが、不足する開発要員をパーソルテンプスタッフからの労働者派遣で補う場合、日々の作業指示や時間外労働の指示を出すのは派遣先のNTTデータで、派遣先管理台帳の作成と派遣先責任者の選任もNTTデータが行う。一方、その要員に教育訓練の機会を確保しキャリア形成を支援するのは、雇用主である派遣元のパーソルテンプスタッフの責務になる。
試験での引っ掛け
措置の主体の取り違えが最も多い。派遣先管理台帳の作成、派遣先責任者の選任、指揮命令する者や関係者への派遣契約内容の周知は、いずれも派遣先が行う措置であり、派遣元事業主の措置として提示されたら誤りである。受入れ企業の行為では、履歴書や業務経歴書の提出を求めて書類選考する、面接対象者を絞り込む、20代男性のように年齢や性別を指定して派遣を求めるといった「派遣労働者を特定することを目的とする行為」が禁止されている点が繰り返し狙われる。逆に、同一の組織単位への派遣可能期間の上限は原則3年なので、3年の契約を結ぶこと自体は適法である。派遣労働者が派遣先の指揮命令について申し立てた苦情を派遣元へ丸投げすることもできず、派遣先にも対応する義務がある。著作権については、契約に定めがなければ、請負では実際に創作した受託側(発注先)に、派遣では指揮命令する派遣先に原始的に帰属する。
関連用語
出た過去問
出典:令和5年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問30(IPA)
労働者派遣法において、派遣元事業主の講ずべき措置等として定められているものはどれか。
正解:労働者の教育訓練の機会の確保など、福祉の増進
要点:雇用主である派遣元が教育訓練など福祉の増進を担う
労働者派遣法では、派遣元事業主に対し、派遣労働者の教育訓練の機会確保をはじめとする福祉の増進に関する措置を講じることを求めている。派遣労働者を雇用しているのは派遣元であるため、キャリア形成支援や待遇の確保は派遣元の責務となる。
出典:令和6年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問30(IPA)
大規模なシステム開発を受注したA社では、不足する開発要員を派遣事業者であるB社からの労働者派遣によって補うことにした。A社の行為のうち、労働者派遣法に照らして適…
正解:システム開発が長期間となることが予想されるので、開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。
要点:派遣先による事前面接など派遣労働者を特定する行為は禁止
労働者派遣法は、派遣先が派遣労働者を特定する目的の行為を行わないよう定めている。事前面接や履歴書の事前送付による選考はこれに当たり禁止されている。一方、派遣期間の上限は同一の組織単位で3年とされているため、3年とする契約自体は違法ではない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。