監査計画とは?かんさけいかく
監査計画とは、監査の目的・目標・対象・範囲・監査手続・時期・要員と業務分担を事前に定めた計画で、中長期計画、年度計画、個別監査計画の三層で構成される。リスクの高い領域へ資源を重点配分するリスクアプローチにより、網羅性と効率性を両立させる。個別監査計画には、監査実施から報告、フォローアップまでの全プロセスを盛り込む。
最終更新:2026-10-06
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監査資源は常に監査対象より小さい。すべてを同じ深さで見ようとすれば、どこも浅くしか見られない。そこで、リスクの大きい領域を選んで深く見るという配分の考え方が計画の骨格になる。中長期計画が経営戦略・情報戦略に対応する形をとるのは、監査対象の選定そのものが経営の関心事に接続していなければ、監査結果が経営判断に使われないためである。
具体例
経営の中期計画で基幹システムの刷新が予定されている年度に、開発プロジェクトの進捗管理と移行計画を重点監査テーマへ据える。財務報告への影響が大きく直近で大規模改修を行った販売管理システムを個別監査の対象に選び、期間・要員・監査手続を割り当てる。
試験での引っ掛け
計画は固定ではなく、予備調査や本調査で前提が変われば適時に見直す。三層の役割の取り違えも頻出で、具体的な監査手続を書き込むのは個別監査計画であり、中長期計画に記載するのは監査方針、主要な監査対象領域、要員計画・人材育成計画、予算である。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問6(IPA)解説で登場
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問10(IPA)
システム監査基準(平成30年)では,監査計画の策定に当たり,監査対象として考慮する項目を,情報システムの"ガバナンス","マネジメント","コントロール"に関す…
正解:IT投資管理や情報セキュリティ対策がPDCAサイクルに基づいて,組織全体として適切に管理されているか。
要点:マネジメントはIT投資や情報セキュリティをPDCAで組織管理する層
ガバナンス・マネジメント・コントロールは階層で区別される。ガバナンスは経営戦略との整合や新技術の取込みといった経営レベルの統治、マネジメントはIT投資管理や情報セキュリティ対策をPDCAで組織的に管理する運営レベル、コントロールは承認手続の実施や異常検知時の対処といった業務プロセスに組み込まれた統制である。
出典:令和5年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問3(IPA)解説で登場
JIS Q 19011:2019(マネジメントシステム監査のための指針)における、“監査プログラム”の定義はどれか。
正解:特定の目的に向けた、決められた期間内で実行するように計画された一連の監査に関する取決め
要点:監査プログラムは一定期間の監査群をまとめた取決め
監査プログラムは、個々の監査そのものではなく、ある目的に向けて一定期間内に実施する複数の監査をどう組み立てるかという取決めを指す。年間監査計画のように、対象・時期・回数をまとめて設計する上位の枠組みである。個別の監査の段取りを示す「監査計画」とは階層が異なる点に注意したい。
出典:令和6年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
システム監査基準(令和5年)における監査計画の必要性についての記述として、適切なものはどれか。
正解:監査の網羅性と効率性を整合させ、有効性の高いシステム監査を実施するため
要点:監査計画は網羅性と効率性を両立させ有効な監査を実現するために要る
監査計画は、限られた監査資源をどこに配分するかを決める設計図である。リスクの高い領域を漏れなく対象に含めつつ、重要度の低い領域に手数をかけすぎないよう調整することで、網羅性と効率性を両立させ、結果として有効性の高い監査を実現する。事実認識の共有や結論の裏づけは、それぞれ報告段階や監査調書が担う役割である。
出典:令和7年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
JIS Q 19011:2019(マネジメントシステム監査のための指針)における、“監査プログラム”の定義はどれか。
正解:特定の目的に向けた、決められた期間内で実行するように計画された一連の監査に関する取決め
要点:監査プログラムは個々の監査ではなく一定期間の監査全体を束ねる取決め
JIS Q 19011 では、複数の監査を束ねて計画・運営する仕組みを「監査プログラム」と呼ぶ。ポイントは「一定期間内に」「特定の目的に向けて」実施される『一連の』監査の取決めである点で、個々の監査そのものではなく、その全体を管理する枠組みを指す。年間監査計画のように、対象・時期・資源配分をまとめて決めるものがこれに当たる。似た用語である監査基準・監査証拠・監査計画との区別が問われている。
出典・参考
公式シラバスの1 システム監査の計画 > 1-1 中長期計画の策定に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。