母集団・抽出単位とは?ぼしゅうだんちゅうしゅつたんい
母集団は監査人が結論を及ぼそうとする対象の全体を指し、抽出単位は試査でそこから取り出す一件一件の項目を指す。監査要点に対して母集団の範囲が合っていなければ、抽出をどれだけ厳密に行っても結論は母集団に及ばない。母集団の網羅性を確かめる手続が、標本の設計に先立って置かれる理由がここにある。
最終更新:2026-10-06
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情報システムが扱う取引の件数は、人手で全件を検証できる規模をとうに超えており、監査は一部を抜き出して全体を推し量る試査を前提に組み立てられている。この推論が成り立つのは、抜き出した先の全体がどこまでかを監査人自身が定義し、その全体に漏れがないと確かめられた場合に限られる。だから母集団の定義と網羅性の確認は、抽出方法や標本数を決めるより前の手続として位置づけられる。
具体例
コンピュータ支援監査技法で使われるDiligent社のACLやCaseWare社のIDEAは、対象ファイルを読み込んだ時点で総件数と数値項目の合計を表示する。監査人がこれを台帳側の件数・合計と突合してから抽出へ進むのは、網羅性を確かめていない母集団からの抽出には証明力が生じないためである。
試験での引っ掛け
被監査部門から受け取りやすい一覧を、そのまま母集団に据えてしまう誤り。期末時点の権限一覧には期中に付与されて削除された分が残らないため、期中の統制を問う監査要点には届かない。抽出単位の粒度も同じで、申請単位を問う要点に対して利用者単位で抽出すると、一件の申請に複数の権限が含まれる分を数え落とす。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。