システム監査とは?しすてむかんさ
システム監査とは、情報システムに関わるリスクへのコントロールが、リスクアセスメントに基づいて適切に整備・運用されているかを、被監査部門から独立した監査人が点検・評価・検証し、その結果を経営者に報告する活動。目的により、基準への適合を明言する保証型と、改善を促す助言型に分かれる。実施の作法は経済産業省「システム監査基準」(2023年4月改訂)が定める。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
かつて統制は伝票の回付と押印で追跡でき、業務の流れを目で見て確かめられた。業務処理がプログラムと権限設定の中へ移ると、統制は画面の裏側に隠れ、担当者の説明だけでは効いているかどうかを判断できなくなった。そこで、システムの内側まで踏み込んで確かめる、独立した点検の枠組みが必要になった。本試験でこの語が最も多く問われるのは、以降のすべての用語がこの活動を構成する部分だからである。
具体例
経済産業省「システム監査基準」に沿って個別監査計画を策定し、販売管理システムの受注登録について、権限設定情報とアクセスログを入手し、承認権限の付与記録と職務分掌規程を突合し、担当者へのインタビューで運用の実態を確かめる。
試験での引っ掛け
監査人が改善策を立案・実施することは監査ではない。助言型であっても示すのは改善提案までで、実行責任は被監査部門にあり、監査人はフォローアップで実施状況を確かめる立場にとどまる。ここを踏み越えると独立性を失い、翌年度は自らの仕事を監査することになる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
“システム監査基準”における“監査の手順”はどれか。
要点:監査の実施手順は予備調査から本調査を経て評価・結論に至る
システム監査基準では、監査の実施を予備調査・本調査・評価および結論という流れで整理している。予備調査で監査対象の概要と統制状況を把握し、本調査で監査証拠を収集して監査手続を実施し、その結果を評価して結論を導く。報告やフォローアップはこの実施手順の後段に続く別の工程として位置付けられる。
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
表はコンピュータを利用して行うシステム監査技法についてまとめたものである。(1)〜(4)の組合せとして,適切なものはどれか。
正解:(1)稼働中オンラインシステムのテスト (2)プログラムロジックの分析 (3)プログラム変更の検証 (4)データの抽出
要点:監査技法は目的別にテスト・ロジック分析・変更検証・データ抽出に整理できる
各技法の目的を押さえれば表は埋まる。ITF法は本番環境に監査用の架空口座を設けて稼働中のオンラインシステムを検証する技法なので(1)が稼働中システムのテストになる。並行シミュレーション法・スナップショット法・トレーシング法はいずれも処理の途中経過や論理を追跡するもので(2)がプログラムロジックの分析、コード比較法はソースや実行モジュールを突き合わせるので(3)がプログラム変更の検証、汎用監査ソフトウェア法と組込み監査モジュール法は(4)のデータ抽出に当たる。
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問7(IPA)
JIS Q 19011:2012における第二者監査に該当するものはどれか。
正解:業務委託先である子会社へのシステム監査
要点:第二者監査は取引先など利害関係のある当事者が行う監査
JIS Q 19011では監査を三つに区分する。第一者監査は組織が自ら行う内部監査、第二者監査は顧客など利害関係のある外部の当事者が行う監査、第三者監査は認証機関など独立した外部機関による監査である。委託元が業務委託先に対して行う監査は取引関係にある当事者による監査なので第二者監査に該当する。
出典・参考
公式シラバスの2 システム監査の実施に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。