ステートフルインスペクションとは?すてーとふるいんすぺくしょん
ステートフルインスペクションとは、通信を1パケットごとではなくコネクション単位で見て、内部から出ていった通信の状態を表に保持し、それに対応する戻りパケットだけを動的に通す方式。コネクションレスのUDPやICMPも擬似的なセションとして表に載せ、一定時間で消していく。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
ヘッダだけを1パケットずつ独立に判定する方式では、戻りの通信を通すために高位ポートを広く開けておくしかなく、その穴がそのまま侵入口になっていた。通信には向きと文脈があるという当たり前の事実を機器に持たせ、内から始まった通信の折り返しだけを認める、という形で穴を閉じたのがこの方式である。設計では、状態表の容量と保持時間が同時接続数の上限を決める点まで見る必要がある。
具体例
FTPのアクティブモードはサーバ側から別のコネクションを張り返すため、静的な規則では高位ポートを広く開けざるを得ない。ステートフル型は制御コネクションのやり取りを見て、その通信に対応するデータコネクションだけを一時的に通す。
試験での引っ掛け
見ているのはヘッダと状態であって、通信の中身ではない。許可したポートの上を流れる攻撃は素通りするため、そこはWAFやアプリケーション層で見る機器の担当になる。状態表があふれると新規接続が通らなくなる点も運用上の落とし穴である。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(IPA)
社内ネットワークとインターネットの接続点に、ステートフルインスペクション機能をもっていない、静的なパケットフィルタリング型のファイアウォールを設置している。この…
正解:PC→SMTPサーバ: 送信元1024以上/宛先25、SMTPサーバ→PC: 送信元25/宛先1024以上
要点:SMTPは宛先25番、戻りは送信元25番を許可する
SMTPの待受けポートは25番なので、PCからSMTPサーバへ向かうパケットは宛先ポート25番、送信元ポートはPCが動的に割り当てる1024番以上となる。ステートフルインスペクションがない静的フィルタリングでは戻りの通信も明示的に許可する必要があり、SMTPサーバからPCへ向かうパケットは送信元25番、宛先1024番以上を許可する。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。