EAPとは?いーえーぴー
EAPとは、認証の中身を差し替えられる汎用の認証フレームワークで、認証方式そのものではない。要求と応答を運ぶ器だけを定め、実際の認証はEAP-TLS、PEAP、EAP-TTLS、EAP-MD5などのメソッドが担う。有線LANや無線LANの区間ではEAPOLとしてイーサネットフレームに直接カプセル化され、オーセンティケータから認証サーバまではRADIUS属性に載せ替えて運ばれる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
認証方式は、証明書・ワンタイムパスワード・ID/パスワードと時代によって入れ替わる。方式ごとに接続プロトコルを作り直せば、スイッチや無線APのファームウェアを毎回入れ替える羽目になる。EAPは「何で認証するか」を交渉で決める枠に切り出し、機器側は中身を理解しないまま転送すればよい形にした。IEEE 802.1Xがこの枠を採用したことで、有線・無線・VPNで同じ認証基盤を使い回せるようになっている。
具体例
仕様はIETFが RFC 3748 として定め、無線LANでのEAPOLはIEEE 802.1Xが規定している。証明書の配布・失効管理ができる環境ではEAP-TLS、既存のActive DirectoryのID・パスワードを使い続けたい環境ではPEAP(MSCHAPv2)が選ばれる。
試験での引っ掛け
EAP自体は枠組みで、強度を決めるのは中のメソッドである点をまず外さない。EAP-TLSはクライアントにも証明書が要るのに対し、PEAPとEAP-TTLSはサーバ証明書だけでトンネルを作りその内側でID・パスワードを使うので、クライアント証明書の要否が分岐点になる。運ぶ経路も区間で変わり、端末〜スイッチ/APはEAPOL、スイッチ/AP〜認証サーバはRADIUSである。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(IPA)
無線LANで使用される規格IEEE802.1Xが定めているものはどれか。
正解:アクセスポイントがEAPを使用して、利用者を認証する枠組み
要点:IEEE802.1XはEAPを用いた接続前認証の枠組み
IEEE802.1Xは、LANポートや無線LANアクセスポイントに接続してきた端末を、認証が成功するまで通信させないようにするアクセス制御の枠組みである。認証にはEAPを用い、アクセスポイントは認証装置として、端末と背後のRADIUSサーバとの間で認証情報を中継する役割を担う。
出典:平成30年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(IPA)
認証にクライアント証明書を用いるプロトコルはどれか。
正解:EAP-TLS
要点:EAP-TLSは証明書による相互認証を行う方式
EAP-TLSは、サーバとクライアントの双方がディジタル証明書を提示して相互認証を行う方式である。パスワードを用いないため盗聴や辞書攻撃に強い反面、利用者ごとにクライアント証明書を発行・配布・管理する必要があり、運用の負担は大きい。
出典:平成30年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21(IPA)解説で登場
利用者認証情報を管理するサーバ1台と複数のアクセスポイントで構成された無線LAN環境を実現したい。PCが無線LAN環境に接続するときの利用者認証とアクセス制御に…
正解:アクセスポイントにはIEEE 802.1Xのオーセンティケータを実装し、かつ、RADIUSクライアントの機能をもたせる。
要点:PC=サプリカント、AP=オーセンティケータ兼RADIUSクライアント
IEEE802.1XとRADIUSを組み合わせる標準的な構成では、PCがサプリカント、アクセスポイントがオーセンティケータ、認証情報を持つサーバが認証サーバとなる。アクセスポイントは、PCとの間ではEAPをやり取りし、認証サーバに対してはRADIUSクライアントとして認証要求を中継する。
出典:令和3年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
無線LANで使用される規格IEEE 802.1Xが定めているものはどれか。
正解:アクセスポイントがEAPを使用して、利用者を認証する枠組み
要点:802.1XはEAPを使うポートベース認証の枠組み
IEEE 802.1Xはポートベースのネットワークアクセス制御の規格で、認証が成功するまでそのポートでの通信を許さない仕組みを定める。無線LANではアクセスポイントがオーセンティケータとなり、端末(サプリカント)とRADIUSなどの認証サーバとの間でEAPのやり取りを中継する。認証方式そのものはEAP-TLSやPEAPなど個別に選べる。
出典:令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
認証にクライアント証明書を必要とするプロトコルはどれか。
正解:EAP-TLS
要点:クライアント証明書が必須なのはEAP-TLS
EAP-TLSは、サーバとクライアントの双方がデジタル証明書を提示して相互に認証する方式で、クライアント証明書が必須である。パスワードを使わないため盗聴やリスト型攻撃に強い反面、利用者ごとに証明書を発行・配布・失効管理するPKIの運用が必要になる。他のEAP方式はサーバ証明書だけで済むものが多い。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの3 技術要素 > 5. セキュリティ実装技術 > (2) 認証・認可技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。