稼働率とは?かどうりつ
稼働率とは、システムが利用可能な時間の割合で、稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)で求める。MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)は故障せずに動く平均時間、MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間)は復旧にかかる平均時間。直列構成は各稼働率の積、並列構成は 1−(1−稼働率)ⁿ で計算する。
最終更新:2026-10-07
この語が出る過去問を解く →背景
「壊れにくさ」だけを語っても、直らなければ止まっている時間は長くなる。壊れにくさ(MTBF)と直りやすさ(MTTR)を一つの指標にまとめ、可用性を数値で合意・比較できるようにしたのが稼働率で、SLAのサービス水準もこの形で書かれる。午前I(科目A-1)では、直列・並列の構成から全体の稼働率を計算させる形が定番になる。
具体例
稼働率0.9の装置を2台並列にすると 1−0.1×0.1=0.99。それを2組直列につなぐと 0.99×0.99=0.9801。年間で見れば稼働率99%は約3.7日、99.9%は約8.8時間の停止に相当し、クラウド事業者のSLAはこの桁で示される。
試験での引っ掛け
直列は「すべて動いて初めて機能する」構成なので稼働率は必ず下がり、並列は「どれか1つ動けばよい」構成なので必ず上がる——構成の意味と式を取り違えない。またMTBFとMTTRが同じ比率で変化しても稼働率は変わらず、MTTR/MTBF=(1−稼働率)/稼働率 の関係が計算に使える。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問5(IPA)
あるシステムにおいて、MTBFとMTTRがともに1.5倍になったとき、アベイラビリティ(稼働率)は何倍になるか。
正解:変わらない
要点:稼働率はMTBFとMTTRの比で決まり同率変化では不変
稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で表される。MTBFとMTTRをともに1.5倍すると、分子・分母がどちらも1.5倍になって約分され、値は元と同じになる。稼働率は両者の比だけで決まるため、比が変わらない限り不変である。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問5(IPA)
図に示す二つの装置から構成される並列システムの稼働率は幾らか。ここで,どちらか一つの装置が稼働していればシステムとして稼働しているとみなし,装置A,Bとも,MT…
正解:0.99
要点:並列稼働率は1-(1-A)^n、直列は掛け算
1台の稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)=450÷(450+50)=0.9である。並列(冗長)構成では両方が同時に停止したときだけシステムが停止するので、稼働率は1-(1-0.9)²=1-0.01=0.99となる。直列なら0.9×0.9=0.81になる点と混同しない。
出典:平成30年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問5(IPA)
4種類の装置で構成される次のシステムの稼働率は、およそ幾らか。ここで、アプリケーションサーバとデータベースサーバの稼働率は0.8であり、それぞれのサーバのどちら…
正解:0.92
要点:並列は1−(1−r)^n、層同士は直列なので掛け合わせる
アプリケーションサーバ2台は並列冗長なので、その稼働率は 1-(1-0.8)^2 = 1-0.04 = 0.96 となる。データベースサーバ2台も同様に0.96。両者はクロス接続されており、アプリ層とDB層が直列の関係になるので、システム全体の稼働率は 0.96×0.96 = 0.9216、およそ0.92である。負荷分散装置と磁気ディスク装置は故障しないので計算に影響しない。
出典:令和元年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問25(IPA)解説で登場
半導体メーカが行っているファウンドリサービスの説明として、適切なものはどれか。
正解:他社からの製造委託を受けて、半導体製品の製造を行う。
要点:ファウンドリは委託を受けて半導体製造だけを担う
ファウンドリサービスは、自社では設計を行わず、他社(主にファブレス企業)からの委託を受けて半導体の製造だけを専門に請け負う事業形態である。巨額の設備投資を集約して多数の顧客の生産を引き受けることで、高い設備稼働率と量産効果を得ている。
出典:令和3年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問5(IPA)
稼働率がxである装置を四つ組み合わせて、図のようなシステムを作ったときの稼働率をf(x)とする。区間0≦x≦1におけるy=f(x)の傾向を表すグラフはどれか。こ…
正解:0付近で破線より下、中間(x≒0.6)付近で破線と交差し、その後上側になるS字状の曲線
要点:直列2台×2系統の並列は f(x)=2x²−x⁴ でS字を描く
上下2系統がそれぞれ2台直列で、その2系統が並列になっている。1系統の稼働率はx^2、システム全体はf(x)=1−(1−x^2)^2=2x^2−x^4となる。y=xとの交点はx(x^3−2x+1)=0を解いてx=(√5−1)/2≒0.618とx=1。したがってxが小さい領域ではy=xより下、0.618を境に上へ移り、x=1でy=1に達するS字状の曲線になる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。