センサとは?せんさ
センサとは、物理量を電気信号へ変換して制御系に取り込む素子で、組込みシステムでは制御ループの入口そのものを担う。出力形態はアナログ出力型(A/D変換が要る)と、I2C・SPIでレジスタを読むディジタル出力型に大別される。選定は感度・分解能・確度・応答速度・温度ドリフト・直線性に、消費電流と実装面積を重ねた判断になる。
最終更新:2026-10-06
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制御は測れない量には手が出せない。温度も圧力も姿勢もそのままではソフトウェアに渡せないため、物理量を電圧・電流・周波数といった扱える形へ落とす境界が要る。かつては素子ごとにアンプとリニアライズ回路を作り込み、機種を変えるたびに回路もソフトも作り直していたが、素子側にA/Dと補正係数を載せてディジタル出力するデバイスが普及し、境界の設計は回路設計からデータシートの読み込みと設定手順へ移った。ESでは科目B‑2で選定の根拠を書かせるため、特性値を言葉にできるかが問われる。
具体例
ボッシュのBME280は温度・湿度・気圧を1パッケージに収め、I2CまたはSPIで補正係数と生値を読み、規定の演算式で物理量へ換算する。オムロンのD6Tサーモパイルアレイは非接触で温度分布を返し、人の在・不在検知に使われる。
試験での引っ掛け
アクチュエータとは変換の向きが逆(センサは物理量→電気信号、アクチュエータは電気信号→動作)。分解能と確度も別物で、24ビットで読めることは値が正しいことを意味しない——オフセット・温度ドリフト・非直線性が乗れば読み値はずれる。データシートの分解能だけを根拠に精度を論じる選択肢が定番。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)解説で登場
I²C(Inter-Integrated Circuit)バスの特徴として、適切なものはどれか。
正解:2線式のシリアルインタフェースで複数のデバイスを接続する。
要点:I2Cは2線でアドレス指定により複数デバイスを接続
I2Cは、データ線とクロック線のわずか2本で複数のデバイスをつなぐ同期式シリアルインタフェースである。各デバイスにはアドレスが割り当てられ、マスタがアドレスを送って相手を選ぶため、SPIのようなデバイスごとの選択信号線が要らない。配線が少なく低速なセンサやEEPROMの接続に向く。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
ZigBeeの説明として、適切なものはどれか。
正解:低消費電力で低速の通信を行い、センサネットワークなどに使われる。
要点:ZigBeeは低消費電力・低速でセンサ網向けの近距離無線
ZigBeeはIEEE 802.15.4を基盤とする近距離無線規格で、通信速度は低いかわりに消費電力が非常に小さく、電池で長期間動作させられる。多数のノードでメッシュ状の網を構成できるため、センサネットワークや設備の遠隔監視、住宅設備の制御などに適する。同じ近距離無線でも、機器同士を1対1でつなぐ用途の規格とは狙いが異なる。
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(IPA)
位置決めセンサに用いるインクリメンタルエンコーダの特徴はどれか。
正解:回転方向を知るために出力信号が2相になっている。
要点:インクリメンタル型は2相出力で回転方向を判別する
インクリメンタルエンコーダは回転量に比例したパルスを出力する方式で、絶対位置は保持せず電源投入時は原点復帰が必要である。回転方向を判別するために、90度位相のずれたA相・B相の2相のパルスを出力し、どちらの相が先に変化したかで正転・逆転を区別する。絶対値を保持するのはアブソリュートエンコーダのほうである。
出典:令和2年度 10月試験 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(IPA)解説で登場
スイッチを押す力を電気エネルギーに変えるなどの方法で得られる、微弱な電力を用いた無線通信技術はどれか。
正解:EnOcean
要点:EnOceanは環境発電で動く電池レスの近距離無線規格
EnOceanは、スイッチを押す力や温度差、光といった周囲の微小なエネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティングを利用した近距離無線通信規格である。極めて短時間・低電力で電文を送る設計になっており、電池も配線も不要なセンサやスイッチを実現できる。ビル設備の照明・空調制御などで使われている。
出典:令和2年度 10月試験 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(IPA)
車の自動運転に使われるセンサの一つであるLiDARの説明として、適切なものはどれか。
正解:レーザ光をパルス状に照射し、その反射光を測定することによって、対象物の方向、距離及び形状を計測する。
要点:LiDARはパルスレーザの反射で距離と形状を三次元計測する
LiDARはパルス状のレーザ光を照射し、対象物で反射して戻るまでの時間から距離を求めるセンサである。照射方向を走査しながら多数の点の距離を測ることで、周囲を三次元の点群として捉え、対象物の方向・距離・形状を把握できる。電波を使うミリ波レーダより空間分解能が高く、自動運転の環境認識に使われる。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの2 コンピュータシステム > 1. ハードウェア > (3) 構成部品及び要素と実装に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。