プルアップ抵抗とは?ぷるあっぷていこう
プルアップ抵抗とは、入力端子を抵抗を介して電源電位へつなぎ、外部から駆動されていないときの電位をHighに固定する抵抗。グラウンド側へつないでLowに固定するのがプルダウン抵抗。入力の浮き(フローティング)はノイズで論理値が揺れ、誤動作と貫通電流の原因になるため、未使用ピンを含めてどちらかへ縛るのが原則になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
CMOS入力はほとんど電流を流さないので、どこにもつながっていない端子はごく小さなノイズでHighにもLowにも振れる。値が定まらないだけでなく、入力段の両トランジスタが同時に半導通して電流が流れ続ける。回路には何もつながないという状態が存在しないため、明示的に電位を与える部品が要る。オープンドレイン出力を共有線へ束ねる構成では、Highを作る役目そのものをこの抵抗が担う。
具体例
I2Cのバスは両線ともオープンドレインで、標準速度なら4.7kΩ程度、400kHzのファストモードでは配線容量に応じて2.2kΩ程度まで下げる。複数のオープンドレイン出力をプルアップして束ねれば、いずれか一つがLowに引いただけで線全体がLowになるワイヤードANDが構成できる。
試験での引っ掛け
抵抗値はとりあえず10kΩでは済まない——小さいほど立上りは速いが消費電流が増え、大きいほど省電力だが配線容量との時定数で波形が鈍り高速通信ができない。MCU内蔵のプルアップは数十kΩと弱いため、容量の大きいI2Cバスでは外付けが必要になる点も問われる。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(IPA)解説で登場
図に示すマトリクススイッチにおいて、キーセンスを行うときのポートの機能と動作の組合せとして、適切なものはどれか。
正解:ポートA: 入力ポート/ポートB: 出力ポート/出力ポートの動作: 信号線を1本ずつLOWレベルにする。
要点:キーセンスは走査線を1本ずつ有効にして読取り側を調べる
マトリクススイッチのキーセンスでは、走査側のポートから信号線を1本ずつ順にアクティブ(この回路では負論理のLOW)にし、そのときの読取り側ポートの入力を調べて押されているキーを特定する。プルアップ抵抗が付いているポートAは、スイッチが閉じていなければHIGHに保たれる読取り側、すなわち入力ポートである。したがってポートBを出力として1本ずつLOWにする組合せが正しい。
出典:平成31年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(IPA)解説で登場
TTLレベルの2入力AND回路を3入力AND回路にするために入力部に回路を追加した。3入力AND回路として、適切なものはどれか。
正解:2本の入力線それぞれにダイオード(カソードが入力側、アノードが接続点側)を介して1点で接続し、その接続点を抵抗でVccに接続(プルアップ)してから2入力AND素子の一方の入力へ、3本目の入力線は直接AND素子のもう一方の入力へ入れる構成
要点:プルアップ抵抗とダイオードでAND入力を追加できる
2入力AND素子の一方の入力に、2本の入力線をそれぞれダイオード経由で接続し、その共通点をプルアップ抵抗でVccに引き上げると、どちらかの入力がローになったときダイオードが導通して共通点がローに引き下げられる。両方がハイのときだけ共通点がハイに保たれるので、この部分がダイオードANDとして働き、全体で3入力ANDが実現できる。プルダウン抵抗にすると導通条件が逆になり、OR的な動作になってしまう。
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問13(IPA)解説で登場
TTLレベルの2入力AND回路を3入力AND回路にするために入力部に回路を追加した。3入力AND回路として、適切なものはどれか。
正解:Vccから抵抗を介した接続点に、入力2本からのダイオードを接続し、その接続点をAND回路の1入力とする構成(プルアップ、ダイオード向きパターン1)
要点:プルアップ抵抗とダイオードでAND入力を追加できる
2入力AND素子の一方の入力に、2本の入力線をそれぞれダイオード経由で接続し、その共通点をプルアップ抵抗でVccに引き上げる構成を取る。どちらかの入力がローになるとダイオードが導通して共通点がローに引き下げられ、両方がハイのときだけ共通点がハイに保たれるので、この部分がダイオードANDとして働き全体で3入力ANDになる。プルダウン抵抗にすると導通条件が逆になり、AND条件として機能しない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。