TOC(制約理論)とは?せいやくりろん
TOC(制約理論)とは、工程全体の産出量は最も能力の低い工程(ボトルネック)で決まる、という前提に立つ継続的改善の理論。制約の特定→徹底活用→他工程の同期→制約の能力向上→惰性の排除、の5段階を繰り返す。評価軸を各工程の稼働率ではなく、全体のスループット・在庫・業務費用の3つに置き換える点が核になる。
最終更新:2026-10-06
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部門ごとに稼働率や生産量を評価すると、各部門が自部門にとって最適に振る舞った結果として、仕掛品の山とリードタイムの悪化が生まれる。産出量が1か所で決まっている以上、そこ以外を頑張らせても全体は1ミリも増えない——部分最適の合計が全体最適にならないことを説明し、投資先を1点に絞る根拠を与えたのがこの理論である。
具体例
物理学者のエリヤフ・ゴールドラットが小説『ザ・ゴール』で広めた。開発現場でも、結合テスト環境の割当てが1日1チームに限られていればそこが制約になる。コーディング要員を増やしても納期は縮まないため、環境の並列化とテストデータ準備の前倒しへ投資するのが、5段階でいう「徹底活用」と「能力向上」にあたる。
試験での引っ掛け
非ボトルネック工程の稼働率を上げても全体の産出は増えず、仕掛品在庫とリードタイムが悪化するだけである。「各工程の稼働率を均等に高めるのが最適」という選択肢は誤り。またボトルネックを解消すると制約は別の工程へ移るため改善は繰り返しになり、この移動を見落として古い制約を守り続けることを戒めたのが第5段階にあたる。
関連用語
出た過去問
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問14(IPA)解説で登場
キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:システムの現在の応答時間を調査し、長期的に監視することによって、将来を含めて応答時間を維持することである。
要点:キャパシティプランニングは将来にわたり性能を維持する計画活動
キャパシティプランニングは、将来の業務量の増加を予測し、必要な資源をあらかじめ計画して、性能水準を継続的に維持することを目的とします。現状の応答時間を測って長期的に監視し、将来にわたって維持するという記述がこれに当たります。目先のボトルネック除去やチューニングは、性能管理の別の活動です。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)解説で登場
密結合マルチプロセッサの性能が、1台当たりのプロセッサの性能とプロセッサ数の積に等しくならない要因として、最も適切なものはどれか。
正解:主記憶へのアクセスの競合
要点:密結合の台数効果を阻むのは共有主記憶へのアクセス競合
密結合マルチプロセッサは複数のプロセッサが主記憶を共有する構成なので、プロセッサ数を増やすほど同じ主記憶へのアクセス要求が衝突し、待ち時間が生じる。この競合がボトルネックとなるため、性能はプロセッサ数に比例せず頭打ちになる。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)解説で登場
あるクライアントサーバシステムにおいて、クライアントから要求された1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき、ネットワー…
正解:50
要点:システムの処理能力は最も遅い資源(ボトルネック)で決まる
サーバ側は100 MIPS=1億命令/秒を1件あたり100万命令で割り、毎秒100件を処理できる。ネットワーク側は1件あたり2×10^5バイト=1.6×10^6ビットで、転送速度8×10^7ビット/秒を割ると毎秒50件となる。全体のスループットは遅いほうで決まるため、答えは50件である。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問19(IPA)解説で登場
プログラムを構成するモジュールや関数の実行回数、実行時間など、性能改善のための分析に役立つ情報を収集するツールはどれか。
正解:プロファイラ
要点:実行回数と実行時間を測り性能の急所を探す道具がプロファイラ
プロファイラは、プログラムの実行中に関数やモジュールごとの実行回数・実行時間・呼出し関係などを計測し、性能上のボトルネックを特定するためのツールである。得られた情報をもとに最適化すべき箇所を絞り込む、性能改善の基本的な道具である。
出典・参考
公式シラバスの8 経営戦略 > 4. 経営管理システム > (1) 経営管理システムに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。