スループットとは?
スループットとは、システムや通信路が単位時間当たりに実際に処理・転送できた仕事量のこと。件/秒やビット/秒で表す。回線速度やCPU性能といった理論値は上限にすぎず、プロトコルのヘッダやACK待ち、再送、輻輳、資源の競合によって実効スループットはそれを下回る。多重度(同時実行数)を上げるとスループットは増えるが、待ち行列が伸びて応答時間は悪化するため、両者はトレードオフの関係になる。待ち行列理論では利用率が1に近づくほど待ち時間が急増し、スループットは頭打ちになる。応用情報では、ボトルネックとなる資源のスループットが系全体のスループットを決めるという点と、応答時間・ターンアラウンドタイムとの区別が問われる。
応用情報技術者試験の過去問では10回出題されています(2017年度〜2025年度)。
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スループットはどういう意味?
スループットとは、システムや通信路が単位時間当たりに実際に処理・転送できた仕事量のこと。件/秒やビット/秒で表す。回線速度やCPU性能といった理論値は上限にすぎず、プロトコルのヘッダやACK待ち、再送、輻輳、資源の競合によって実効スループットはそれを下回る。多重度(同時実行数)を上げるとスループットは増えるが、待ち行列が伸びて応答時間は悪化するため、両者はトレードオフの関係になる。待ち行列理論では利用率が1に近づくほど待ち時間が急増し、スループットは頭打ちになる。応用情報では、ボトルネックとなる資源のスループットが系全体のスループットを決めるという点と、応答時間・ターンアラウンドタイムとの区別が問われる。
スループットの具体例は?
PayPayのような決済基盤では、1秒間に処理できる決済件数がスループットにあたり、利用者がボタンを押してから完了画面が出るまでの時間が応答時間にあたる。台数を増やして同時処理を増やせば1秒あたりの件数は伸びるが、1件あたりの体感速度が速くなるとは限らない。
スループットは試験でどう引っ掛けられる?
スループット(量)と応答時間(速さ)の混同が典型。多重度を上げるとスループットは向上するが応答時間は悪化する点で、向きが逆になる。またカタログ上の回線帯域やディスク転送速度は理論値であり、実効スループットと同一ではない。ターンアラウンドタイムは1件が終わるまでの時間であって単位時間あたりの処理量ではない。
スループットと関連する用語は?
スループットが出た過去問は?
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問33(IPA)
CSMA/CD方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:衝突発生時の再送動作によって、衝突の頻度が増すとスループットが下がる。
要点:CSMA/CDは衝突が増えるほどスループットが下がる
CSMA/CDでは、送信前に伝送路の使用状況を確認し、送信中も衝突を監視する。衝突を検出すると各ステーションはランダムな時間待って再送するため、トラフィックが増えて衝突が頻発すると再送と待ち時間が増え、実効的なスループットが低下する。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)
1件のデータを処理する際に、読取りには40ミリ秒、CPU処理には30ミリ秒、書込みには50ミリ秒掛かるプログラムがある。このプログラムで、n件目の書込みと並行し…
正解:1,200
要点:パイプラインの処理能力は最も遅い工程の時間で決まる
読取り・CPU処理・書込みを別々の件に対して並行実行できるので、全体はパイプラインとして動きます。パイプラインのスループットは最も遅い工程で決まり、ここでは書込みの50ミリ秒です。1分=60,000ミリ秒を50ミリ秒で割ると1,200件となります。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)
あるクライアントサーバシステムにおいて、クライアントから要求された1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき、ネットワー…
正解:50
要点:システムのスループットはサーバとネットワークの遅いほうで決まる
サーバ側は100MIPS÷100万命令=毎秒100件を処理できる。ネットワーク側は1件あたり2×10^5バイト=1.6×10^6ビットを転送するので、8×10^7÷1.6×10^6=毎秒50件が限界となる。全体のスループットは遅いほうに律速されるので50件である。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)
1件のデータを処理する際に、読取りには40ミリ秒、CPU処理には30ミリ秒、書込みには50ミリ秒掛かるプログラムがある。このプログラムで、n件目の書込みと並行し…
正解:1,200
要点:パイプラインのスループットは最も遅い工程で決まる
読取り40、CPU処理30、書込み50ミリ秒の3工程を並行して流すパイプライン処理なので、全体のスループットは最も遅い工程(ボトルネック)で決まる。ここでは書込みの50ミリ秒が律速となり、1件あたり50ミリ秒間隔で処理が完了する。1分=60,000ミリ秒を50で割ると1,200件になる。
最終更新:2026-08-29/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。