ページング方式とは?ぺーじんぐほうしき
ページング方式とは、仮想アドレス空間と主記憶を4KBなどの固定長ページに区切り、ページ単位で主記憶と補助記憶を入れ替えて仮想記憶を実現する方式。対応関係はページテーブルが保持し、DAT(動的アドレス変換)がページ番号を実ページ番号に置き換える。固定長で区切るため外部断片化が起きない。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
主記憶が高価で容量も小さかった時代は、プログラムの大きさが実装メモリを超えるとそのままでは動かせず、開発者がオーバレイを手で設計していた。可変長の区画に割り当てる方式では、確保と解放を繰り返すうちに使えない隙間が残る。固定長のページに切ってしまえば隙間の大きさが揃い、割当ても置換えも表の操作だけで済む。応用情報では置換アルゴリズムの手順とスラッシングの原因という形で繰り返し問われる。
具体例
ページサイズ4KBなら仮想アドレスの下位12ビットがページ内オフセット、残りがページ番号になる。32ビットアドレスなら上位20ビットをページテーブルで実ページ番号に引き直し、下位12ビットをそのまま連結して実アドレスを得る。Linuxのx86-64でも標準ページは4KBで、この構造がMMUにそのまま載っている。
試験での引っ掛け
可変長の論理的まとまりで区切るのはセグメント方式で、外部断片化が起きるのはこちら。「固定長=ページング、可変長=セグメント」で押さえる。ページング方式で生じる使い残しは内部断片化と呼び名が変わる。ページフォールトが多発して入替えばかりになる状態はスラッシングで、置換アルゴリズムの優劣とは別の話。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問18(IPA)
プログラムで使用可能な実メモリ枠が3ページである仮想記憶システムにおいて、大きさ6ページのプログラムが実行されたとき、ページフォールトは何回発生するか。ここで、…
正解:10
要点:LRUは最後に使ってから最も時間が経ったページを追い出す
実メモリ枠3ページでLRUを適用し、0,1,2,3,4,0,2,4,3,1,4,5 の順に読み込むと、最初の0・1・2で3回の欠落が起き、以降は3,4,0,2 で置換えが4回続きます。次の4は残っているのでヒットし、3,1 で2回置換え、次の4はヒット、最後の5で1回置換えとなります。ヒットしたのは2回だけなので、12回のアクセスのうちページフォールトは10回です。
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問17(IPA)
ページング方式の仮想記憶において,あるプログラムを実行したとき,1回のページフォールトの平均処理時間は30ミリ秒であった。ページフォールト発生時の処理時間が次の…
正解:0.75
要点:平均時間は各処理時間を発生割合で加重平均した値
ページアウトを伴わない割合をpとすると、平均処理時間は20p+60(1−p)=30と表せる。整理すると60−40p=30となりp=0.75。よって4回に3回はページインだけで済んでいる計算になる。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問17(IPA)
ページング方式の仮想記憶において、ページ置換えの発生頻度が高くなり、システムの処理能力が急激に低下することがある。このような現象を何と呼ぶか。
正解:スラッシング
要点:ページ置換えの多発で処理能力が急落するのがスラッシング
実記憶量に対して多重度や作業領域が過大になるとページフォールトが多発し、ページの入替え処理にCPU時間の大半が費やされて、本来の処理がほとんど進まなくなる。この状態をスラッシングという。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問18(IPA)
ページング方式の仮想記憶において,あるプログラムを実行したとき,1回のページフォールトの平均処理時間は30ミリ秒であった。ページフォールト発生時の処理時間が次の…
正解:0.75
要点:平均処理時間は各ケースの時間を発生割合で加重平均した値。
ページアウトを伴わない処理の割合をpとすると、平均処理時間は20p+60(1−p)=30と表せる。これを整理すると60−40p=30となり、p=0.75が得られる。すなわち4回に3回はページインだけで済んでいたことになる。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問19(IPA)
ページング方式の仮想記憶における主記憶の割当てに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:プログラム実行時のページフォールトを契機に、ページをロードするのに必要な主記憶が割り当てられる。
要点:デマンドページングは必要になった時点でページを読み込む
ページング方式ではデマンドページングが基本で、プログラム開始時に全ページを読み込むのではなく、実際に参照されて存在しないと分かったとき(ページフォールト発生時)に主記憶を割り当ててページをロードする。割り当てられる主記憶の量も実行の進行に応じて変動する。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。