危殆化とは?きたいか
危殆化とは、計算機の性能向上や解読手法の進歩によって、それまで安全とされていた暗号アルゴリズムや鍵長の安全性の余裕が失われていくこと。破られた瞬間を指す言葉ではなく、危殆化した方式はより長い鍵や新しいアルゴリズムへ計画的に移行する必要がある。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
暗号の安全性は「解くのに現実的でない時間がかかる」ことに依存しており、その前提は計算機が速くなるほど弱まる。したがって暗号は導入して終わりではなく、寿命を見越して入れ替える対象として管理しなければならない。国内ではCRYPTRECが利用を推奨する暗号のリストを公開・更新しており、利用部門は「いま使っている方式がまだ推奨に残っているか」を定期的に確認する立場に立つ。
具体例
ハッシュ関数のMD5とSHA-1は衝突を作る手法が示されて危殆化し、2017年にはGoogleとCWIアムステルダムがSHA-1の実際の衝突例を公表した。以後、サーバ証明書はSHA-256以降への移行が進んだ。
試験での引っ掛け
危殆化は「暗号が破られた瞬間」ではなく、安全性の余裕が失われていく状態を指す。またハッシュ関数の危殆化は鍵長を伸ばして解決できるものではなく、アルゴリズムそのものの移行が必要になる点が、鍵長を延ばせる共通鍵暗号との違いになる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問29(IPA)解説で登場
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問9(IPA)
暗号の危殆化に該当するものはどれか。
正解:考案された当時は容易に解読できなかった暗号アルゴリズムが、コンピュータの性能の飛躍的な向上などによって、解読されやすい状態になること
要点:危殆化は技術進歩で既存暗号の強度が相対的に落ちること
暗号の危殆化とは、計算機性能の向上や解読手法の進歩によって、従来は安全とされていた暗号アルゴリズムや鍵長の安全性が低下し、現実的な時間で解読され得る状態になることを指す。このためアルゴリズムや鍵長は定期的に見直し、より強度の高いものへ移行する必要がある。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問25(IPA)解説で登場
何らかの理由で有効期間中に失効したディジタル証明書の一覧を示すデータはどれか。
正解:CRL
要点:CRLは有効期間中に失効した証明書の一覧
CRL(証明書失効リスト)は、秘密鍵の危殆化や記載事項の変更などにより有効期間の途中で失効させた証明書のシリアル番号一覧で、認証局が発行し定期的に更新する。証明書を検証する側は、有効期間の確認に加えてCRLやOCSPで失効の有無を確かめる必要がある。
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問26(IPA)
暗号アルゴリズムの危殆化を説明したものはどれか。
正解:計算能力の向上などによって,鍵の推定が可能になり,暗号の安全性が低下すること
要点:危殆化は時とともに既存暗号の安全性が下がる現象
暗号アルゴリズムの危殆化とは、計算機の性能向上や解読理論の進歩により、鍵の推定が現実的な時間で可能になり、そのアルゴリズムや鍵長の安全性が相対的に低下することをいう。鍵管理の失敗や輸出規制の問題とは異なり、時間の経過とともに必然的に進む現象なので、暗号方式や鍵長は計画的に移行していく必要がある。
出典:平成31年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問3(IPA)解説で登場
CRYPTRECの役割として、適切なものはどれか。
正解:電子政府での利用を推奨する暗号技術の安全性を評価、監視する。
要点:CRYPTRECは電子政府推奨暗号の安全性を評価・監視する
CRYPTRECは、電子政府で利用を推奨する暗号技術を評価し、その安全性を継続的に監視する国のプロジェクトである。評価結果は電子政府推奨暗号リストとして公表され、危殆化の兆候があれば運用監視暗号リストへの移動などの見直しが行われる。暗号の輸出審査や製品認証、攻撃監視といった業務は担っていない。
出典・参考
公式シラバスの1 技術要素 > 1 情報セキュリティ > 情報セキュリティ技術(暗号技術)に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。