多層防御とは?たそうぼうぎょ
多層防御とは、境界、ネットワーク、端末、アプリケーション、データという各層へ、性質の異なる防御を重ねて配置し、どこかが破られても次の層で止める設計思想。セキュリティ実現方式の設計原則のひとつに挙げられ、層ごとに予防・検知・回復の役割を分けて置くことで、破られた後に気づいて手を打つ時間を確保する。
最終更新:2026-10-06
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完全な防御は存在しない、という前提から出発する考え方である。一枚の壁へ投資を集中させると、その壁が抜かれた瞬間に内部が無防備になる。攻撃を止め切ることではなく、進むたびに手間をかけさせ、その間に検知の機会を作ることへ目的を移したのがこの発想で、ゼロトラストの議論もこの延長線上にある。
具体例
メールの入口でフィルタし、端末ではEDRで実行と挙動を見張り、内部はセグメントで分けて横移動を制限し、保存データは暗号化し、外向きの通信を監視する。攻撃者はどの段階でも足を止められ、防御側はそのたびにログという痕跡を得る。
試験での引っ掛け
同じ対策を予備として重ねる多重防御とは目的が違う。同一のエンジンを二段に並べても見逃す対象は変わらず、独立していなければ層の数だけ費用が増えるだけになる。層を増やすこと自体が目的になり、出てきたログを誰も見ていない、という状態も設問では否定される。
関連用語
出た過去問
出典:令和元年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問17(IPA)解説で登場
SQLインジェクション対策について、Webアプリケーションプログラムの実装における対策と、Webアプリケーションプログラムの実装以外の対策として、ともに適切なも…
正解:プレースホルダを利用する。
要点:SQLインジェクションはプレースホルダ+DB権限最小化で防ぐ
SQLインジェクションはアプリケーションがSQL文を文字列連結で組み立てることに起因するため、実装面の対策はプレースホルダ(バインド機構)を使い、値をSQL文の構造から切り離すことが最も確実である。実装以外の対策としては、アプリケーションが使うデータベースアカウントの権限を必要最小限に絞り、万一侵入されたときの被害範囲を限定する多層防御が有効である。
出典:令和3年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
サイバーキルチェーンに関する説明として、適切なものはどれか。
正解:攻撃者の視点から、攻撃の手口を偵察から目的の実行までの段階に分けたもの
要点:サイバーキルチェーンは攻撃を段階に分け対処点を見つける
サイバーキルチェーンは、標的型攻撃の一連の流れを攻撃者側の視点で段階に分けて整理したモデルである。偵察、武器化、配送、攻撃、インストール、遠隔操作、目的の実行といった段階に分解することで、どの段階でどんな検知・遮断が可能かを整理でき、いずれかの環を断てば攻撃全体を止められるという考え方につながる。多層防御の設計指針として使われる。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (1) 情報セキュリティの目的と考え方に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。