要件定義とは?ようけんていぎ
要件定義とは、システム化計画をもとに、利用者側が何を実現したいのかを整理し、開発するシステムに求める機能・性能・制約として文書にまとめる工程。業務要件から機能要件と非機能要件を洗い出し、関係者の合意を得るまでが範囲で、どう作るかを決める設計工程とは分けて考える。
最終更新:2026-10-09
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作る側が「たぶんこういうことだろう」と解釈したまま進むと、完成して初めて食い違いが分かり、作り直しになる。手戻りにかかる費用は工程が進むほど跳ね上がるため、最初に何を作るのかを文書で確定させ、双方が同じものを指していることを確かめる。近年は個人情報の扱いを設計段階から織り込むプライバシーバイデザインの考え方もこの工程に含まれる。
具体例
「受発注業務を自動化したい」という依頼に対し、業務担当者への聞き取りから「在庫が10個を切ったら通知する」といった機能要件と、「検索の応答は3秒以内」「24時間稼働」といった非機能要件を要件定義書に落とし込む。IPAは非機能要求グレードとして、その項目例を公開している。
試験での引っ掛け
決めるのは「何を求めるか」であって「どう実現するか」ではなく、後者は設計工程の仕事。業務要件・機能要件・非機能要件(性能・可用性・セキュリティ・運用性)の区別が頻出で、非機能要件の定義漏れが後工程での手戻りの原因として問われる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問66(IPA)
企画,要件定義,システム開発,ソフトウェア実装,ハードウェア実装,保守から成る一連のシステム開発プロセスにおいて,要件定義プロセスで実施すべきものはどれか。
正解:システムに関わり合いをもつ利害関係者の種類を識別し,利害関係者のニーズ,要望及び課せられる制約条件を識別する。
要点:要件定義は利害関係者のニーズと制約を識別する工程
要件定義プロセスでは、システムに関わりをもつ利害関係者を洗い出し、それぞれのニーズや要望、課される制約条件を識別して整理します。ここで「何が必要か」を明らかにし、実現方式の決定は後続の開発プロセスへ渡します。システム化の方針や実施計画を立てるのは企画プロセス、方式設計を行うのはシステム開発プロセスです。
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問65(IPA)
企画,要件定義,システム開発,ソフトウェア実装,ハードウェア実装,保守から成る一連のプロセスにおいて,要件定義プロセスで実施すべきものはどれか。
正解:システムに関わり合いをもつ利害関係者の種類を識別し,利害関係者のニーズ及び要望並びに課せられる制約条件を識別する。
要点:要件定義は利害関係者のニーズと制約条件を識別する
要件定義プロセスでは、システムに関わる利害関係者を漏れなく識別し、それぞれのニーズや要望、および法規制や既存環境などの制約条件を洗い出して、合意可能な要件としてまとめる。何を作るかを決める工程であり、どう作るかは後続の開発プロセスで扱う。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問41(IPA)解説で登場
SaaS(Software as a Service)を利用するときの企業のセキュリティ管理についての記述のうち,適切なものはどれか。
正解:システムの構築を行わずに済み,アプリケーションソフトウェア開発に必要なセキュリティ要件の定義やシステムログの保存容量の設計が不要である。
要点:SaaSでも利用者にアカウント管理と規程整備の責任が残る
SaaSでは完成したアプリケーションを利用するため、開発時のセキュリティ要件定義やログの保存容量設計といった構築工程の作業は事業者側に委ねられる。一方、利用者側の責任として残るのは、アカウントとアクセス権の管理、社内規程の整備、障害時の業務手順やデータのバックアップである。責任分界点を取り違えないことが要点になる。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 2. 要件定義に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。