保守性とは?ほしゅせい
保守性とは、JIS X 25010(ISO/IEC 25010)が定めるソフトウェア製品品質の主特性の1つで、不具合の修正や機能の追加をどれだけ効率よく行えるかを表す性質。副特性はモジュール性・再利用性・解析性・修正性・試験性の5つ。長く使うシステムほど開発費より運用中の改修費が積み上がるため、設計の段階で構造として作り込む対象になる。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
かつて品質といえば「仕様どおり動くか」だけを指していたが、システムが10年20年と使われるようになると、法改正や業務変更のたびに手を入れる費用が総費用の大半を占めるようになった。動きさえすればよい作りは、直すたびに影響範囲が読めず、確認にも時間がかかる。そこで「直しやすさ」自体を測って要求できる品質項目として定義したのがJIS X 25010の保守性である。基本情報では8つの主特性の名前と、副特性の意味を対応づけて問われる。
具体例
消費税率のように制度で変わる値を設定ファイルへ外に出しておき(修正性)、業務処理を層に分けて変更の影響範囲を追えるようにし(モジュール性・解析性)、自動テストで直後に確認できる構造にする(試験性)。これらを非機能要件として、開発前に発注側と合意しておく。
試験での引っ掛け
稼働後の運用体制や要員数の話に流れやすいが、品質特性としての保守性は製品そのものの性質を指す。また試験性は「テストが済んでいること」ではなく「テストしやすい構造か」を意味する。使用性と混同しやすいが、対象が利用者か保守する技術者かで分かれる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問66(IPA)
非機能要件項目はどれか。
正解:システム基盤に関わる可用性、性能、拡張性、運用性、保守性、移行性などの項目
要点:非機能要件は可用性・性能・運用性など品質と条件の要求
非機能要件は、システムが提供する機能そのものではなく、どのような品質・性能・運用条件で動くべきかを定めるものである。可用性、性能、拡張性、運用性、保守性、移行性、セキュリティなどが代表的な項目である。業務の手順や組織、システムの機能範囲、経営上のニーズは、いずれも機能要件や業務要件・経営要件の側に属する。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問50(IPA)
ソフトウェア開発の活動のうち,アジャイル開発においても重視されているリファクタリングはどれか。
正解:ソフトウェアの保守性を高めるために,外部仕様を変更することなく,プログラムの内部構造を変更する。
要点:リファクタリングは外部仕様を変えず内部構造を改善する
リファクタリングは、プログラムの外から見た振る舞いを変えずに、内部の構造だけを整理して読みやすく直しやすい状態に保つ作業です。アジャイル開発では設計を少しずつ育てるため、動作を保証するテストを支えにこの整理を繰り返します。機能追加や仕様変更とは切り離して行う点が重要です。
出典・参考
公式シラバスの4 開発技術 > 2. 設計 > (8) ソフトウェア品質に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。